秋葉原の事件について

　２５歳の若者が、何の関係も無い人間を一度に何人も傷つけ、そして何人も殺してしまうなんて．．．
　お亡くなりになった方々のご冥福と、傷つけられた方々の一日も早い回復をお祈りいたします。

　自分から離れた地の、自分と無関係の人達に生じた事件であるはずなのに
　変な不安が込み上げ、色々考えをまとめようとしてもなかなかまとまりません。

　
　今のところ考えている事

　このような男は、1000万人に１人いるかいないかの人間の外れ値と思いたい。
　そして、レア中のレアケースとして、言葉は悪いがこの世から抹消して、それで終わりにしてしまいたい。

　しかし、マスコミは、「何らかの理由」を求めようとします。
　そのくせ、最終的に「自分達が理解できない理由」を落としどころにし、
　その上で、「自分達が理解できない理由」の存在で社会を語ろうとします。

　”識者である”と言う事は、訳知り顔で社会や人を語らなければならないのだろうか
　歪んだステレオタイプとスケープゴートに逃げ込むよりは
　「分からない事は語れない」という答えがこそが正解ではないのか。

　『知らざるを知る』こそ”識者”ではないのか。

　こんな事を言うのは、マスコミの報道の態度に対する嫌悪感だけではない。

　本来、そのまま霧散するはずだった実体の無いものが
　名前を与えられる事によって、実体を得、留まり続け
　その実体が、他の誰かにも「そうする事」を許容させてしまわないか

　それが、自分の不安の原因なのです。