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利口ぶる馬鹿(たとえばなし編) [気になる人達]

ここは、簡単な食堂しかない田舎町。
ある日、隣の隣の町に本格中華料理店ができたとの知らせがありました。
あなたは、ちょっと遠いけど行ってみようと思いますか?
それとも、めんどくさいから行かずに済ましますか?
これから話すのは、そんな時、めんどくさくて行かない人の話。

Aさんは、本格中華料理店なるものは行った事はないけど
隣の隣の町にまで行くのはめんどくさいと思う、そんな人です。

「本格中華料理?
 どうせ、あのカドの食堂で出すラーメンをちょっと豪華にしたぐらいのもんだろ。
 豪華って言ったら、あれだな、フカヒレフカヒレ。
 うん、フカヒレラーメンって何かで読んだ事がある。ま、そんな程度でしょ」

 ...と、まぁ、勝手に思い込んで勝手に溜飲を下げます。

 ここまでなら、まぁ比較的良くある話。
 しかし、その人は、自分の事を町中で一番の物知りを気取っていました。
 
Bさんが彼に聞きます
B「なんか向こうの町に本格中華料理店ができたって、知ってます?」

すると、彼はこんな事を言い出します
A「ああ、あれね。結局フカヒレが乗ってるだけで、味は地元の食堂と変わんないからね。
  わざわざ行くほどのもんでもないよ。」

あれあれ、自分の勝手な思い込みを前提にして、なんか得意げに語ってますよ。

今度は、Cさんが来ます
C「あのさぁ、向こうの町の本格中華料理店ってさぁ…」
すかさず彼は言います
A「ああ、フカヒレ乗っているだけで、本格中華って言うのはおかしいよね」

C「へ...フカヒレラーメン?そんなの無かったよ」
そう、実はCさんはその中華料理屋に行ってきた所なのでした。
しかし、彼はかまわず続けます
A「フカヒレラーメンすら無かったんなら、ますます本格中華を称するのはおかしいよね。
  だから行く価値なんて全く無いんだよ」

C「...フカヒレラーメンってのは無かったけど、ほら、あの麻婆豆腐ってやつ。
  ものすごく辛いんだけど、後を引いてさ。さすが、本格中華だね」

A「だけどやっぱフカヒレラーメンすら無かったんなら本格中華料理屋失格でしょ。
  麻婆豆腐なんか、丸美屋のアレ使えば何時でも食べれるし」

C「...いや、あれとは別物だから。
  それよりさっきから何でフカヒレラーメンにこだわってるの?」

A「やっぱ、本格中華って言ったら、フカヒレラーメンの気がするんですよ。
 それが分らないのでは、その本格中華料理屋とやらも、それを有りがたがるあんたも、
 大したもんじゃないねぇ」

C「...(こいつこそ、中華料理の事何も知らねぇな。話にならん)」

~終~

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