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「香山リカのスピリチュアルを考えよう!」 [書評]

全3巻、香山リカ・中塚圭骸 著 汐文社 初版2009/3

 図書館に行ったら発見。
1巻 霊感ってなに?
2巻 占い・カルト宗教ってなに?
3巻 ニセ科学ってなに?

 菊池誠氏との対談本「信じぬものは救われる」も出した香山センセイ、彼女はスピリチュアル批判をやってますが、こんなシリーズ本を出していたんですね(ちなみに、中塚圭骸さんは、香山センセイの実弟だって)。
 児童書のブースにあったから、おそらくは小学校高学年~中学生向けの本なのかな。
 
 子供向けでかつ香山リカ著ということで、「ニセ科学」マニアには盲点かな、と思ったので、第3巻だけ借りてご紹介。


 中学生の里奈ちゃんを中心にしたストーリがメインで、所々に香山センセイが解説をする流れ。
 里奈ちゃんの両親が「波動パワーの水」マルチにはまり、おじのケイタ兄さん(理系の大学生)に相談する、という始まり。

 で、「ニセ科学に詳しい」というケイタ兄さんの先輩、”丸山さん”が、「波動というのは元々物理学用語だけど、波動パワー水の波動は全く関係ない」という話をする。
 「ニセ科学」マニアなら、どっかで聞いた事がある内容だと思う。

 また、ケイタもこんな話をしている
『「科学者」を名乗る男が、一冊の本を出した。それが「水からのメッセージ」。これが...』
 
...「水からのメッセージ」...(笑)

 一応この本は、「このお話は架空の物語であり、実在する団体・個人とは一切関係有りません」のスタンスで書かれているんだけど、あまりのストレートな「架空名」に笑った。

 で、水からの伝...もといメッセージを先生が道徳の授業に使い、反発した子供を叱るという問題を話した後、丸山さんが「ニセ科学とは何か」を説明する。

 これが、明らかに菊池教授の「ニセ科学入門」を中学生向けバージョンにしたもので、「ニセ科学入門」好きは必見だ!(香山センセイ...当然許可は取ってますよね...)。
 
 最後、「波動パワーの水」の胴元が逮捕されて、お父さんもお母さんも間違いに気付き、めでたしめでたし。
 

 香山センセイだから、「ニセ科学」の話よりも、何故騙されるか、騙しの手口、マルチの問題、マインドコントロールといった心方面の問題が中心といった感じ(こっそりと、「脳トレ」も批判しています)。

 実は香山センセイには、なんかうさんくさい人という印象を持ってはいるケド、こういう本を「子供向け」として出すのは好ましく思う。
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