答え合わせ [ABO FAN Blog]
ABOFAN氏のコメントのずれっぷりにちょっと調子に乗りすぎてました。
反省しつつ少し撒き戻して、肝心の事を言っておきましょう。
まず、ABOFAN氏が考え直して本当の答えに辿り着く前に言ってしまいます....。
私が取り上げた吉田氏の母集団の差の話においてなされていた「平均値の差が0になる確率」については、確かに”極めて厳密に言えば”0でない場合もあります。
ええっ!散々それをネタにABOFAN氏をバカにしたくせに今更そりゃないだろ。ずるい!
...と思われる人も一部にいるかもしれませんね(まぁ、ずるくて結構なんですが)。
でも、私がABOFAN氏をバカにしていたのは、「辻褄が合わない発言」と、「理由を述べきらないでひた隠しにするところ」でしたのでご勘弁を。
ところどころ臭わせていましたが、私も「支持率」等は厳密な意味での「0」では無い可能性は感じていました(とはいえ、「でもさ、統計じゃ便宜上ある程度以上の数値は∞と扱うから、統計上の話で極めてでかい数を∞にしてしまってもいいんじゃん」...という反論も考えてましたけどね)。
ただ、「高校レベルの数学の知識」しかない私にとって、どう説明して良いか考えあぐねていたのですが、何とかひとつの理由を見つける事ができたので、書いておきます。
見つけた理由とは、当然ABOFAN氏が言っていた(つもりの?)理由とはベクトルが異なります(のはずです)。
万一「同じだよ!」と言われたら(多分反抗して言わないと思いますが)、『言ってない事の”言ったつもり”や、説明しない”違う意味”は他人にはわからん!!』と叱りますが。
【離散値じゃないと?】
まず、吉田氏の発言
「この”0”という差の値は連続線上に無限に存在する値の中の1点でしかなく、母集団における平均値の差がちょうどこの値になる確率は1/∞で0になるからです。」
というのは、ABOFAN氏は深読みしていましたが、単純に「連続性を持つスケールの計測値」を想定しているものと思われます(多分)。例えば、長さとか重さとかね。
確かに、心理学で身長・体重を使うのは(あるにはあるけど)少ないですが、反応時間はポピュラーです。また、この本は「心理学」ではなく「統計」の本なので別に心理学の計測値のみの話と限定する必要は無いでしょう。。
実際には測定限界が有り「離散値」同様になると思いますが、あくまで理論上の話なのでアリでしょう。
とはいえ、「離散値」であっても、事情はさほど変わりません。
【離散値という鍵】
ABOFAN氏が「離散値」を持ち出したのは、彼にしてはすごく筋が良かった。
でも、「(有理数)」と断り書きを入れて、「連続線上にスカスカに無限に存在する値の中の1点」と”無限の有理数”の文脈に持って行ってしまったのが残念でした(「無限」の方を否定しなくてはならなかったのに)。
そう。「離散値」の場合、「平均値の差が0になる確率」は”厳密に言えば”0にはなりません。
だけど、ちょっと離散値だと説明が大変になりますので、ここでは吉田氏の挙げた「支持率」の話を使いましょう。
加えて、ABOFAN氏が挙げた国勢調査の結果(男性62,348,977人、女性65,419,017人)もあとで使いましょう。
(おそらく、「支持率」の話でも、「離散値」に対する考え方と共通する部分はあると思います)
「支持率の差が0になる確率は0ではない」を説明するのはすごく簡単です。
『”両方が支持率100%”あるいは”両方が支持率0%”という状況は、確率は極めて低いだろうが、状況としては十分想定できる。この場合、支持率の差は当然0である。よって、この反例により確率が0では無い事が示せる』
どうです?すっきりして分かりやすいし、高校数学だ~、limだ~、といちいちもったいぶる必要もないでしょ。
ちなみに、0%より大きく100%未満の場合はどうかというと、ここが非常に頭を悩ます問題で、正直、計算あきらめました(ここら辺を解いてくれることをABOFAN氏に爪の先ほどは期待していたのですが)。
どういう事かというと、例えば、男性が一人だけ支持し、他の人は全員支持しない場合、支持率は(1/62,348,977)*100%。この場合、女性も同じ支持率に成ることは絶対ありません((1/65,419,017)*100%では小さいし、(2/65,419,017)*100%では大きい)。
結局は「62,348,976通りの支持率と、65,419,016通りの支持率の間に完全一致する数値があるか」って話になりますが、(あったとしても極めて少ないケースである事は予想できますが)果たして幾つあるか理論的に明らかに出来るほど数学的センスはありまへん。
【吉田氏も知っていたのでは?】
なお、ついでに気付いてしまったのですが、本で再度確認もしたのですけど、吉田氏は「支持率」の文脈では「ゼロ」という表現を全く使ってないのですね。
ABOFAN氏は、
>しかし、「日本人の男性全体でのある政党に対する支持率」は明らかに有限母集団です。
>有限母集団なら、ゼロじゃないだろ!と憤慨して読むと、
>「ぴったり同じになることは皆無に等しいはずです」とあります。
>普通の日本語だって「皆無に等しい」はゼロじゃありませんってば!
と言っていましたが、吉田氏も「支持率」のケースは厳密には「ゼロ」とは言えない事が当然分かっていたからこそ、その文脈ではあえて、「ゼロ」の使用を避け、”近いけど「ゼロじゃない」”という、ABOFAN氏自らが挙げた意味と同じ意味で「皆無に等しい」を使ったと考えられます。
そうなると、吉田氏の本文では「ゼロ」と「皆無に等しい」を適切に使い分けをしていたにもかかわらず、ABOFAN氏は、勝手に別な所から「ゼロ」を持ってきて憤慨し、さらには「漫才を読んでいるようです」とまで言ってしまった事になりますが...
【吉田氏の主張は間違っている?】
結局の所、「理論上帰無仮説は100%棄却される」であろうが「理論上帰無仮説は極めて100%に近い確率で棄却される」であろうが、一番肝心な事である「(母集団間で異なる効果が無くても)母集団間には差が存在するんだよ」という結論は揺るぎません。
だから、ABOFAN氏が「∞は間違い」という主張は、別に受け入れちゃってもかまわなかったんですね。
その上で
>んでさ、「理論上帰無仮説は絶対棄却される」じゃなくて
>「理論上帰無仮説はほぼ棄却される」でもどっちでもいいんだけど、
>これって、関係あろうがなかろうが、大抵母集団間には差が存在するって事よね
>でさ、これで「有意差=関係がある」って言えるのかなぁ
って話題に移った方がスマートだったかもしれませんね。
反省しつつ少し撒き戻して、肝心の事を言っておきましょう。
まず、ABOFAN氏が考え直して本当の答えに辿り着く前に言ってしまいます....。
私が取り上げた吉田氏の母集団の差の話においてなされていた「平均値の差が0になる確率」については、確かに”極めて厳密に言えば”0でない場合もあります。
ええっ!散々それをネタにABOFAN氏をバカにしたくせに今更そりゃないだろ。ずるい!
...と思われる人も一部にいるかもしれませんね(まぁ、ずるくて結構なんですが)。
でも、私がABOFAN氏をバカにしていたのは、「辻褄が合わない発言」と、「理由を述べきらないでひた隠しにするところ」でしたのでご勘弁を。
ところどころ臭わせていましたが、私も「支持率」等は厳密な意味での「0」では無い可能性は感じていました(とはいえ、「でもさ、統計じゃ便宜上ある程度以上の数値は∞と扱うから、統計上の話で極めてでかい数を∞にしてしまってもいいんじゃん」...という反論も考えてましたけどね)。
ただ、「高校レベルの数学の知識」しかない私にとって、どう説明して良いか考えあぐねていたのですが、何とかひとつの理由を見つける事ができたので、書いておきます。
見つけた理由とは、当然ABOFAN氏が言っていた(つもりの?)理由とはベクトルが異なります(のはずです)。
万一「同じだよ!」と言われたら(多分反抗して言わないと思いますが)、『言ってない事の”言ったつもり”や、説明しない”違う意味”は他人にはわからん!!』と叱りますが。
【離散値じゃないと?】
まず、吉田氏の発言
「この”0”という差の値は連続線上に無限に存在する値の中の1点でしかなく、母集団における平均値の差がちょうどこの値になる確率は1/∞で0になるからです。」
というのは、ABOFAN氏は深読みしていましたが、単純に「連続性を持つスケールの計測値」を想定しているものと思われます(多分)。例えば、長さとか重さとかね。
確かに、心理学で身長・体重を使うのは(あるにはあるけど)少ないですが、反応時間はポピュラーです。また、この本は「心理学」ではなく「統計」の本なので別に心理学の計測値のみの話と限定する必要は無いでしょう。。
実際には測定限界が有り「離散値」同様になると思いますが、あくまで理論上の話なのでアリでしょう。
とはいえ、「離散値」であっても、事情はさほど変わりません。
【離散値という鍵】
ABOFAN氏が「離散値」を持ち出したのは、彼にしてはすごく筋が良かった。
でも、「(有理数)」と断り書きを入れて、「連続線上にスカスカに無限に存在する値の中の1点」と”無限の有理数”の文脈に持って行ってしまったのが残念でした(「無限」の方を否定しなくてはならなかったのに)。
そう。「離散値」の場合、「平均値の差が0になる確率」は”厳密に言えば”0にはなりません。
だけど、ちょっと離散値だと説明が大変になりますので、ここでは吉田氏の挙げた「支持率」の話を使いましょう。
加えて、ABOFAN氏が挙げた国勢調査の結果(男性62,348,977人、女性65,419,017人)もあとで使いましょう。
(おそらく、「支持率」の話でも、「離散値」に対する考え方と共通する部分はあると思います)
「支持率の差が0になる確率は0ではない」を説明するのはすごく簡単です。
『”両方が支持率100%”あるいは”両方が支持率0%”という状況は、確率は極めて低いだろうが、状況としては十分想定できる。この場合、支持率の差は当然0である。よって、この反例により確率が0では無い事が示せる』
どうです?すっきりして分かりやすいし、高校数学だ~、limだ~、といちいちもったいぶる必要もないでしょ。
ちなみに、0%より大きく100%未満の場合はどうかというと、ここが非常に頭を悩ます問題で、正直、計算あきらめました(ここら辺を解いてくれることをABOFAN氏に爪の先ほどは期待していたのですが)。
どういう事かというと、例えば、男性が一人だけ支持し、他の人は全員支持しない場合、支持率は(1/62,348,977)*100%。この場合、女性も同じ支持率に成ることは絶対ありません((1/65,419,017)*100%では小さいし、(2/65,419,017)*100%では大きい)。
結局は「62,348,976通りの支持率と、65,419,016通りの支持率の間に完全一致する数値があるか」って話になりますが、(あったとしても極めて少ないケースである事は予想できますが)果たして幾つあるか理論的に明らかに出来るほど数学的センスはありまへん。
【吉田氏も知っていたのでは?】
なお、ついでに気付いてしまったのですが、本で再度確認もしたのですけど、吉田氏は「支持率」の文脈では「ゼロ」という表現を全く使ってないのですね。
ABOFAN氏は、
>しかし、「日本人の男性全体でのある政党に対する支持率」は明らかに有限母集団です。
>有限母集団なら、ゼロじゃないだろ!と憤慨して読むと、
>「ぴったり同じになることは皆無に等しいはずです」とあります。
>普通の日本語だって「皆無に等しい」はゼロじゃありませんってば!
と言っていましたが、吉田氏も「支持率」のケースは厳密には「ゼロ」とは言えない事が当然分かっていたからこそ、その文脈ではあえて、「ゼロ」の使用を避け、”近いけど「ゼロじゃない」”という、ABOFAN氏自らが挙げた意味と同じ意味で「皆無に等しい」を使ったと考えられます。
そうなると、吉田氏の本文では「ゼロ」と「皆無に等しい」を適切に使い分けをしていたにもかかわらず、ABOFAN氏は、勝手に別な所から「ゼロ」を持ってきて憤慨し、さらには「漫才を読んでいるようです」とまで言ってしまった事になりますが...
【吉田氏の主張は間違っている?】
結局の所、「理論上帰無仮説は100%棄却される」であろうが「理論上帰無仮説は極めて100%に近い確率で棄却される」であろうが、一番肝心な事である「(母集団間で異なる効果が無くても)母集団間には差が存在するんだよ」という結論は揺るぎません。
だから、ABOFAN氏が「∞は間違い」という主張は、別に受け入れちゃってもかまわなかったんですね。
その上で
>んでさ、「理論上帰無仮説は絶対棄却される」じゃなくて
>「理論上帰無仮説はほぼ棄却される」でもどっちでもいいんだけど、
>これって、関係あろうがなかろうが、大抵母集団間には差が存在するって事よね
>でさ、これで「有意差=関係がある」って言えるのかなぁ
って話題に移った方がスマートだったかもしれませんね。
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