理不尽の怖さ [思い付き]
日本のホラーは、因縁とか因果とか、つまり理由が明らかになるにつれ、恐怖が高まるものが多いですが、アメリカのホラーは、むしろ理不尽さが、恐怖をあおるというものが多いようです。
今回は、どちらかといえば後者に値する怖いドラマを紹介します。
男「あなたが好きだ。ぜひ回答してください」
女「それは付き合いたいって意味でしょうか?
それはまだあなたの事がよく分からないので,今はお断りします」
男「私は回答が欲しいと言っているだけです
意味は常識的にわかるはずです。あなたが好きだ。さぁ回答をしなさい」
女「だから、今はお断りしますって言っているじゃないですか。
そういう話をする前に、もっとちゃんとした話しましょうよ」
男「何を言っているんですか?わたしは、あなたが好きだという話がしたいんです。
なぜ回答いただけないのですか?それともあなたは非常識なのですか。
あなたが好きだ。さぁ回答をしろ」
女「変な事ばかり言われても困ります。迷惑ですのでやめてください。」
男「???抽象的に言われても答えようがありません。
それより早く回答しろ。あなたが好きだ。どうだ、回答しろ」
女「...。」
男「回答が無いと言うことはもしかしたら承諾したということですかね」
女「違います,違います。回答欲しいなら、せめてもう少し説明してください」
男「説明はしたじゃないか。『私はあなたが好きだから、回答が欲しい』と!」
女「だから、何をどう回答しなければならないんですか。
そもそも、私が何でそれに回答しなければならないんですか。」
男「念のため説明すると、
私があなたを好きだという事は、私とあなたの関係が深い事を示すんです。
これは単純な結論です。さて、あなたが好きだ。さぁ回答しろ!」
女「説明になってませんっ!ちゃんと詳しく話してよ!」
男「詳しい説明は長くなってしまいますので勘弁してください。
でも、私は常識の範囲内で言っているだけです。
それとも、あなたは常識を否定するのですか?さぁ回答しろ!」
女「回答すると何されるか分かんないから嫌です!!!」
~見かねた別の男登場~
別「ちょっとあんた,いいかげんにしなよ。さっきから彼女困ってるじゃない」
男「それは単なるあなたの個人的意見ですから、何とも言えません」
女「いや、私、実際困ってますし、誰が見てもそうですよ」
男「???何が困っているのか具体的に言ってください。でないとわかりません。
それよりも、なんで回答してくれないんですか!回答するのが当然だろ!」
別「...何言ってるんだ?あんた、メチャクチャだよ」
男「???何がメチャクチャなのかキチンと指摘してくれないとボクニハワカリマセン」
別「いい加減警察呼ぶぞ」
男「犯罪者呼ばわりですか?失礼ですね。言論の自由は憲法で保障されているんです。
それより、あなたこそ、何故回答しないのですか!」
別「えぇっ、俺も!?」
男「なんで皆私の質問をスルーするんですか。私は好きだと言っているではないですか。」
別「相手にしない方がいい。あっちで、まともな話をしよう」
女「はい。このままではこっちまで頭がおかしくなりそうです」
~2人,退場。ひとり残される男~
男「あなたが好きだアナタガスキダ、回答しろカイトウシロ
あなたが好きだあナたが好きだアなたガ好きダあナタがスキだ
あアなダガズキキキキダあなたが好きだあなたが好きだあア亜阿亞ナたたタ...」
~暗転~
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~場面変わって,男の日記の大写し~
『あの女や周りの奴は、私の発言をおかしいとか言うくせに
わたしがいくら「あなたが好きだ」という事の回答を求めても
はぐらかしてばかりでした。とっても不思議です
答えてしまうと何か都合の悪い事でもあるのでしょうか(@_@)?』
~ 完 ~
さぁ、あなたは、どのあたりから恐怖を感じ始めますか。
そしてどのあたりまでは耐えられそうですか。
同様のホラーは、kikulog「血液型と性格」でご覧いただけます。
タイトルは「"統計で有意差男"の恐怖」。
現在パート3が継続中...。
こんばんは。「"統計で有意差男"の恐怖」ではお世話になっています。
途中で何だか奇妙なデジャブを感じ、「言論の自由は憲法で保障されているんです」あたりで吹き出してしまいました。
by ぱんだ (2008-02-09 23:06)
ぱんださん、お世話になってます。
時たま私の発言を引用して頂いたりしてて嬉しく思っています。
この話は自信作なので、ウケていただいて嬉しいです。
(kikulogのあの流れを把握している人にこそ分かるネタですが...。)
あの人、「書籍化」ネタに対抗心を燃やしてか、「HPでまとめる」なんて話をわざわざ出してますが、殆どの話について、自分が反応できない言い訳ばかりの人が、どんな風にまとめるのでしょうね。
どうせ、上の男の日記レベルの話なんだろうなぁって睨んでいます。
by Judgement (2008-02-10 21:21)