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ホメオパシーは副作用のあだ花 [疑似科学総論]

 多分、ホメオパシーについて記事にするのは初めてかな(似たような話の記事は書いたけどね)。
 「世間さまが許さない!」のコメント欄も90越えたので、引越し用として急いで記事を書いたってのもあって、まだあまり煮詰められていないけど、ご勘弁を。

 ホメオパシーに関して考えることはトンデモブラウさんと同じところも多く、統合医療にホメオパシーを組み込むのには私も反対。

 おそらく、それをやってしまうと統合医療ではなく、『統合失調医療』になってしまうでしょう。
 ポリシーも原理も成立したシステムもごっちゃにして統合するのは「出鱈目医療」に近く、「失敗の責任の所在」を明確にするためにも、統合すべきではないと思う。
 そうでないと、どの医療方法も発展しないんじゃないかな。

 ちなみに、カイロプラクティックも極めてホメオパシー的な代替医療なはずなんだけど(ホメオパシーは内科のニセ科学とすれば、カイロは外科のニセ科学)、ニセ科学批判の人達の食いつきは悪い気がする。
 こっちのほうが、より社会に蔓延して目に付くから、ホメオパシーより優先順位高くしても不思議じゃないのに...。
 いや、けしかけているわけではない。別に外野が言う話でもないのは分かっているけどさ。
 何故ホメオパシーより騒がれないのかが素直に不思議だったりする。


【副作用への恐怖心】

 とはいえ、cosiさんのおっしゃった「副作用」の話は私も問題と考えていて、「代替医療」のニーズが発生する原因は、科学っぽいって事よりもそこにあるんじゃないかと私は考えている。

 以前トンデモブラウさんが『「この薬を服用すると1000人に3人は副作用を起こし、100000人に一人は重篤になるんですよ。それに引き換え○○は副作用もないし・・・。」とかで気持ちが揺らぐということは、医療を全く解っていないということでしょ。』と言っていた。
 でも、それは医療を全く解っていない、というよりも医療を盲信しない分だけ、盲信している人よりは分かっているって事じゃないかなと思う。
 さらに言えば、「医療を全く解っていない」と言えてしまう人は、人の気持ちを分かっていない、って感じてしまう。

 客観的に、というか”外野”の目線で見れば、3/1000を想定するのはバカバカしいんだろうけど、当事者の気持ちを考えて見よう。確率的には3/1000だろうが、自分がその0.3%の人であれば100%と同じなわけだ。で、自分はその0.3%の人かどうかは医者は教えてくれない、「やってみないと分からない」わけだ。その状況で「副作用は出るか出ないかの1/2だ」ととらえてしまうとしても、合理的ではないけど、人間的ではあるんじゃないかな。

 1/6のロシアンルーレットであれば、観客は「出ない」に気軽に賭けれるけど、引き金を引く当の本人にとっては1/6だろうがなんだろうが、「出れば終わり」なんだから。
 

【余談】

 そもそも、私は「薬の歴史」イコール「絶え間ない人体実験の歴史」だと思っているし、そもそも薬の効能や処方、あるいは医学も「科学」と言うよりかは今だ「経験則」を引き摺っているみたいだからね。
 むしろ、「科学的」であろうとしはじめたのはつい最近のようだし。
 おそらく、正統医療を根拠にホメオパシーを批判する人が想像するよりも「科学的」ではない。

 それについては
 「医学は科学ではない」 米山公啓著 ちくま新書
 あたりの話が面白い。

 念のため言えば、著者は「反医学」の人ではなく、れっきとした医者だ。
 『代替医療を求める心理』等の話も有り、「ニセ科学だから信じられている」、「効果が無いからダメだ」一本槍の人は、できれば呼んでみて欲しい。
 視野が広がるから。


【親ゆえのジレンマ】

 んで、ホメオパシーは信じないけど、ホメオパシーに走る気持ちは分かる。

 「そのせいで子供が死んだ」事件を鬼の首を取ったように言う人がいるけど、親の気持ちになってみようよ。病気で死ぬ」のも悲しいけれど、「病気を治そうとしたせいで、その副作用で死ぬ」というのはもっと理不尽な悲しさがあるわけだ。

 「合理的に確率で考えようよ」ってな事をしたり顔で言う人もいるだろう。
 でも、1発の実弾と十万発の空砲が混ぜられた箱からひとつ取り出してピストルに込め、それを親に渡して、「子供を助けたいなら、子供に向かって撃ってください」と言われたとき、躊躇しない親がいるだろうか。

 躊躇しすぎたせいで死なせてしまう、というのは確かに愚かだ。
 愚かだけど、親だからこそのジレンマは十分分かる。

 子供に新型インフルエンザの予防注射をすべきか真剣に悩む親は、何もホメオパシー信者や、ホメオパスの啓蒙本を読んだ人ばかりではないんだな。


【解決策は?】

 これは、副作用が無い事をうたうホメオパシーがあったから、それを使っただけで
 それが無ければあるいは何もできないまま、同じく手遅れになったかもしれない
 ってな可能性もあるよというお話(まぁ、実際はどうかは分からないけれど)。

 こういう場合は、ホメオパシーの責任、というよりも近代医療が抱える問題になるんだよね。
 だけど、モチロン近代医療の”責任”ではないよ。
 彼らは彼らなりの精一杯の事をしているんだから。
 
 じゃぁどうすればいいか、って副作用の問題は今すぐどうにかなる問題でも無いし、どうにかできるかも分らない。
 病を得たのは自分(や身内)なのだから、何を選択するかは最終的に自分の判断。  
 本草学の始祖、神農のように、「身をもって知る」以外に手はないのかもしれない。

 私は、「病気をして医者にかかる」という事は、自分で作った負債を、自らの人体実験というバクチで返済する、と割り切った方がいいかな、と思っているけどね(その方が医者も気が楽だろう)。
 そうすると、効果と副作用というオッズをもう少し冷静に判断できる。

 ただ、自分ではなく、他人の話となると難しい。
 自分の親や子供となると、さらに難しい。


【おわりに】

 とはいえ、やっぱりホメオパシーはいらない。無くなってOK
 少なくとも私はホメオパシーは決して薦めない。
 現代医学が完全じゃないにしても、ホメオパシーがその不完全さを補完できるものとは思わない。
 
 でも、「副作用恐怖症」の方は、それが無くなっても正当医療に戻らない可能性も高いよね。
 んで、そのせいで、そこのユーザー層がよりリスキーな代替医療や詐欺に走られるぐらいなら、ホメオパシーに走ってくれる方がまだ安全かもしれない。
 その辺は、ホメオパシーだけを見ていても判断できないだろう。
 難しいトコロだ。


 最後にまとめっぽい事を言っておく(まとまってないけど)

 いきなり「ホメオパシーか正統医療か」という二項対立で評価するのではなく
 例えば正統医療には触れず「代替医療か何もしないか」あたりをじっくり評価する
 って手もいいんじゃないのかな。
 
 ホメオパシーの問題も明確になるし、医者嫌いの人のハートもつかめるんじゃないかと思ったりする。


《cosiさんへ》
 できれば、あちらの続きをやるならこちらに引っ越してきてくだされ。
 ホメオパシー限定でなくていいから。
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Danio

うーん、副作用恐怖症のヒトは、事故が起きる確率を考えたら自動車の運転どころか外を歩く事もできないと思いますか?
副作用恐怖症の問題は単にコスト・ベネフィットをどう考えるかという事だと思っています。もちろん当事者として実践的に。
私は、「合理的に確率で考えようよ」ってな事をしたり顔で言う人であるかもしれませんが、副作用の事を”外野”の目線で見れるような健康体でもありませんし。

ちなみに私は2人の子(新型インフルワクチン接種済)の親で、子供達の死は想像するのも辛いです。
辛い想像をした場合、病気または副作用で死ぬ事に違いがあるとは思えません。
そういう結果の時は、どちらでもどっちみち後悔するでしょう。
例えば、なぜ自分はワクチンを”打たせなかったのか”とか、”打たせたのか”とか。
"何もしなかった結果" or "行動が裏目に出た結果"にどんな違いがありますか?

ロシアンルーレットやピストルの例は不適切だと思いますよ。
正統医療の比較としてヒトを殺す目的の道具を出すのはミスリードでしょう。
でも、撃てば助かる確率の方が高ければ、私は撃ちますよ。
by Danio (2010-03-05 03:33) 

cosi

Judgementさん、お忙しいのにお気遣いいただき、どうもありがとうございます。
「世間さまが許さない!」が長くなってきていたので、「いいのかな~」と気にはなっていました。でも、ついつい長く書き込んでしまいました。Judgementさんのお部屋は、とても居心地が良いので。

「副作用恐怖症」とは、また、いいネーミングですね。さすがです。
私は「副作用恐怖症」ですね。実際に自分が、副作用で苦しんだこともあり、副作用で亡くなった人をみたこともあり、副作用で苦しみ続ける人達もたくさん知っていますから。

全ての起こっている副作用が報告されたり、報道されるわけじゃない。副作用の頻度は、公的な報告などで知られているより、実際はもっと多いだろうと考えています。

だから、プラシボだろうがオカルトだろうが、副作用なく、本人たちが良くなったと喜んでいるのであれば、いいじゃないかと思うのです。
もちろん、そのまま、必要な場合の治療拒否につながれば問題ですが、普通はそうじゃないようなので。一応バランス感覚というのが、たいていの人には備わっているでしょう。

少なくとも、子供が死ぬかもしれないのに、医療拒否する人は、ホメオパスでさえ、いないと思います。オーストラリアの事件が引き合いに出されますが、それは悪徳医師の存在の頻度より、よほど稀なケースでしょう。

それに、金儲けなら、「世間さま」で前も書きましたが、TVコマーシャルを駆使してOTC医薬品を売りつける製薬企業の方が、凄まじい部分があります。だから、金儲けを叩くなら、そっちをまず叩くべきだと思います。
医療資源の無駄使いを問題にするなら、透析医療の運用などを、まず問題にすべきだし。

ホメオパシーなんて、かわいいものを、必死に批判する理由がわからない。放っておけばいいと思うのです。好きな人は好きだろうし、嫌いな人は嫌いだろうし。嗜好が分かれるもので、そんなに騒ぎ立てるほど、有害なものでもない。場合によっては、有益なこともある。

それより、もっと先に批判すべきものはある、というのが私の考えです。
by cosi (2010-03-05 13:15) 

トンデモブラウ

【Judgementさん】

私のコメントの引用された部分の後に、「副作用恐怖症」の心情のことも書いてあるのに。
でも、効果がある程度認められているものの代替品に、何の作用もない(当然副作用もないけど)をあてるっておかしくないですか。
正常な判断で費用対効果を秤にかけたら、ホメオパシーを選択するのはありえないでしょう。
まだ何もしないで我慢する、って方が解り易い。

「副作用恐怖症」の人が、ホメオパシーで100%治ると思い込まされているのが問題なんですよね。
「インチキ」は、その性質上バリアフリーだからなぁ。

【cosiさん】

いや、批判するべき最優先は「インチキ代替医療」でしょう。
ホメオパシーはその筆頭ですね。
かわいい、なんて言葉で擁護するというのは、常軌を逸しているとしか思えません。
「インチキ」だから最優先なのじゃなくって、「医療」を詐称しているからです。

医薬品は認められたエビデンスがあるので、例え金儲け主義だとしても批判されるべき筋合いではありません。
有効性や副作用のエビデンスを捏造したとか、そういった問題であれば批判されるべきでしょうけど。

>子供が死ぬかもしれないのに、医療拒否する人は、ホメオパスでさえ、いないと思います。

それはどういう理由ですか?
ホメオパシーはおまじないと一緒だと認めているからですか?
それじゃ、全く同情の余地のない詐欺ですけど、いいんですか?
by トンデモブラウ (2010-03-05 23:26) 

(た)

cosi さんの

> だから、プラシボだろうがオカルトだろうが、副作用なく、本人たちが良く
> なったと喜んでいるのであれば、いいじゃないかと思うのです。

についてですが、ホメオパシーのレメディーは砂糖玉であるため効果はプラセボ程度しか期待できないんだけど、プラセボでも効けばいいんじゃないですか、ということですよね。そこで、単純な疑問なんだけど、プラセボだったら逆向きにも作用することがありますが、副作用恐怖症の人はそれは心配にはならないの?

つまり、単なる砂糖玉を薬と信じてなめたら効いちゃった、というのを狙ってるんだろうけど、毒だと思って砂糖玉をなめてしまうと体には悪い作用をもたらしますよね?それがプラセボというものなんだから。

ホメオパスに全幅の信頼をおけるのであれば、そのホメオパスの処方するレメディは良いプラセボ効果を発揮することがあるかも知れませんが、診察 (とは言わないんでしたね、何だっけ?) 時にホメオパスへの信頼への迷いが生じると危い可能性があるような気もするんだけど。

レメディは薬になるかも知れないけど、毒になるかも知れなくて、それは曇りなき信仰を持てるかどうかにかかってるという・・・。

また、レメディには元の物質のエネルギーだか波動だかのこめられた水をしみこませてるというわけでしょ?派によってはその元の物質にも怪しげなものが使われていたりするそうですよね。副作用というものを敏感に考える人だったらそういったことを聞けばレメディが怖く感じるような気がするし、従って悪作用が出てくると思うんだけど、大丈夫なのかなぁ?というのもまた私の素朴な疑問。

ホメオパスが患者に、副作用はない、ということをきっちりと信じ込ませなければいけないんだけど、心配性のおばあちゃんとかは大丈夫なのかなぁ。下手にホメオパシーをインターネットで検索して Wikipedia にたどりついて、そこに書いてあるレメディーの原料として癌細胞を使うこともあるなんていう記述を見つけてしまった日には夜眠れないよ。どうやって安心させるんだろう。レメディは単なる砂糖玉なんです、と説明するわけにはいかないしね。そんなことしたらプラスのプラセボ効果が出なくなるし。

と、まぁ、今ある医療がないと仮定して「ホメオパシーか何もしないか」と考え出したら、うちのおばあちゃんはホメオパシーで大丈夫なのかどうか非常に心配になってきた。あー、もっとも既に他界してるので、単なるシミュレーションですが。Judgement さんの元々の問いである「代替医療か何もしないか」についてはおいおい考えよう。

追記。
本文でリンクされてる Judgement さんの力イロプラクティックのエントリーには大爆笑してしまいました。そういうオチがあるとは・・・。
by (た) (2010-03-06 01:52) 

Judgement

【Danioさん】
>うーん、副作用恐怖症のヒトは、事故が起きる確率を考えたら自動車の運転どころか
>外を歩く事もできないと思いますか?
 何を恐怖の対象と選択するかは、その人の経験にもよるでしょうね。
 犬という動物を怖がる人が、猫という動物を怖がるとは限らない。

>副作用恐怖症の問題は単にコスト・ベネフィットをどう考えるかという事だと思っています。
>もちろん当事者として実践的に。
 コスト・ベネフィットを考える前に、「副作用」というもの自体が受け入れられなくなっているから「副作用恐怖症」を引き起こすのだと思う。
 合理的に考えれば恐怖は生じないかもしれないけど、既に生じている恐怖は合理的な考えではなかなか消せないものらしいよ。予防注射をしていればインフルに耐性ができるかもしれないけど、インフルにかかった人に予防注射しても効かないでしょ。

>辛い想像をした場合、病気または副作用で死ぬ事に違いがあるとは思えません。
>"何もしなかった結果" or "行動が裏目に出た結果"にどんな違いがありますか?
「病気は自然治癒することがある」って考えちゃうんでしょうね。
だれも「死ぬ」事を前提には考えないわけで。

 あと、「これをしなければ死ぬかも」と「これをすれば死ぬかも」は、心理的には後者の方がハードルが高いと思いますよ。だって、後者は未体験だけど、前者は少なくとも「ずっとしていない今は生きている」という経験が続いているわけですから。

 言っておくけど、これは「そう考えてもおかしくない」というだけの話で、「それはいい考えだ」と言いたいわけじゃないからね。私だって、みんなそういう考え方をしない方が助かる確率が上がるのになぁ、と思っている。

 でも、判断した後にしか結果が出ないんだ。で、選ばなかった判断の結果は絶対分からない。
 確実な結果を知った上で判断できるなら、望まない結果になる事は無いんだけどね。

>ロシアンルーレットやピストルの例は不適切だと思いますよ。
>正統医療の比較としてヒトを殺す目的の道具を出すのはミスリードでしょう。
現象の例えに、舞台の小道具の意味付けを深く捉えられても困る...
最初「薬と毒薬」の比喩を考えたんだけど、薬の話でそれはややこしすぎるでしょ。

 あと、私見だけど、「薬」って身体に非常にインパクトのあるものと思っている。だって、あんな自分の体積の何万分の1の成分が、劇的に作用するんだからさ。逆に、それだけ凄くて、「良い影響」だけなんて都合のいい事は有り得ないと思う。
 だからこそ、慎重に扱われるんだし、基本的に「毒」と言って良いとおもう(まぁ、実際「毒」なわけだけど)。そういう意味では、人を殺す道具に比喩したのも、それほど外れてないと、個人的には思うのですが...。

>でも、撃てば助かる確率の方が高ければ、私は撃ちますよ。
一切の躊躇無く?


【cosiさん】
>私は「副作用恐怖症」ですね。実際に自分が、副作用で苦しんだこともあり、
そうなんですよね。私も実はそうでした。
 小学生のころ、肺炎をこじらせて入院したんだけど、かなり酷くて特別な薬を打ったのですが、腕全体が強烈に痛む作用が有りしかもそれを毎日1時間打ち続けるというもので、私にとっては拷問。苦しむ姿を見ている親も非常につらくて、何度も止めてもらおうと思ったと聞きました。
 ちなみに、「肺炎をこじらせて」って「風邪をこじらせて」の間違いじゃないよ。最初にかかった医者がヤブで、レントゲンまで取った上でただの風邪と診断。でもどんどん症状が悪化したため総合病院に行ったら即入院、3日間意識不明って状態だった。んで、最初の病院のレントゲン総合病院の担当医が見たら「この時点で影が出てますね」だってさ。
 モチロン、そんな副作用もヤブ医者もレアケースだと思うケド、レアケースだからといって、自分が当たらない事は保障されない、って事を実感した。
 まぁ、今は克服して、むしろすぐ病院薬に頼るようになっちゃってるけど。

 副作用、というとレアケースのように捉えられがちだけど、実際は「作用」に対する「副作用」だから、基本的に服用者全員に影響しているんだよね。ただ、耐性やら体質により自覚症状として出る人が少ないだけで。

>少なくとも、子供が死ぬかもしれないのに、医療拒否する人は、
>ホメオパスでさえ、いないと思います。
 むしろ、輸血拒否の宗教の方がやっかいかもしれません。
 でも親にすれば「今助かって地獄に落ちるか、今死んで天国に召されるか」の究極の選択を迫られているわけですから、一概に「酷い行為」とは言えないんですね。

>それより、もっと先に批判すべきものはある、というのが私の考えです。
その辺は後先の問題ではないと思いますよ。
ホメオパシーの問題は、ホメオパシーの問題として
医療の問題は医療の問題として、批判すべきは批判する方がいい。

ただ、Aができる人が、Bもできるとは限らないので
あっちをやっている人に、こっちをまずやれ、と要求するのは筋違いになりそう。
だけど、AでBを批判する人は、Aの問題もちゃんと把握しておくべきとは思う。


【トンデモブラウさん】
>私のコメントの引用された部分の後に、「副作用恐怖症」の心情のことも書いてあるのに。
 「1000個に1個ババがあるクジでは当たりそうで怖くなるもんでしょう。」って所でしょ。
 でもさ、私はまず「医療を全く解っていない」と評する事を問題視したんだけどね。
 ホントに心情をわかっているなら、「医療の無知」の問題にはしないハズじゃないかな。

>でも、効果がある程度認められているものの代替品に、
>何の作用もない(当然副作用もないけど)をあてるっておかしくないですか。
 うん。私もおかしいと思っているよ。
 でも、それは私やトンデモブラウさんが「ただの水」という前提で考えるからなんだよね。
 それを「ただの水」と思わない、思いたくない人にとってはそうじゃない。
 例えば私にとって宗教は単なる御伽噺だけど
 信じる人は(インチキ信者は違うかもしれないけど)そうは思わないんでしょ。

 それこそ、トンデモブラウさんが言おうとした事だよ。
 経験が違えば、同じものも違って見える。
 そこで、一足飛びに「騙すのが悪い」と行くと、肝心の”そこ”を見落とすよ。
 ”そこ”を見落としたまま、自分の前提で話を突き進めると
 単なる中傷や嘲笑になってしまう危険があると思う。

>正常な判断で費用対効果を秤にかけたら、ホメオパシーを選択するのはありえないでしょう。
>まだ何もしないで我慢する、って方が解り易い。
これもさ、「正常な判断」っていうのは、基準を自分の経験と知識に合わせているよね。
(いや、私も判断は同じになるよ。なるんだけどさ)
だからといって他の人の経験上の判断を「異常な判断」扱いするのはマズイ。

>「副作用恐怖症」の人が、
>ホメオパシーで100%治ると思い込まされているのが問題なんですよね。
そうなの?ホントにあの人達は100%治ると思って使っているの?
さすがにそこまで大胆な事は、余程のアホじゃなきゃ言いもしないと思うケド。
じゃぁ逆に聞くけど、トンデモブラウさんが正統医療を活用するのは、100%治ると思い込んでいるからなのかな?

>【cosiさん】
>いや、批判するべき最優先は「インチキ代替医療」でしょう。

 cosiさん宛にも言ったけど、「正統医療」を根拠に批判しようというなら、まず「正統医療」の欠点を客観的に把握しておく必要は十分あると思うゾ。


あ、書き終わったら(た)さんの投稿が...
まぁいいや(いいのか)、もう寝る。
by Judgement (2010-03-06 03:07) 

cosi

常に、冷静で、頭脳明晰なJudgementさんには脱帽。
確かに、批判に後先はないです。はい。
自分が長期間、薬の副作用で苦しめられた(今も少々)、副作用で亡くなった人をみた、などから、薬の副作用には、感情的というか、身に沁みているというか、冷静でいられなくなるところがあります。
で、それとホメオパシーの害を比較すると、「そんなん問題のうちに入らんわ!」という発言になりがち。

冷静になれば、ホメオパシーにはホメオパシーの問題があることは、よ~くわかっております。だから、ホメオパシーのことをちゃんと調べて、医療のことも、ある程度わかった上で、批判している人たちの意見には、結構納得できる点が多いです。

ただ、トンデモブラウさんのように、ろくに自分ではホメオパシーのことを調べもせずに、kikulogなんかの内輪の情報だけを頼りに、通常医療のことも知らないのに、自分の感覚だけでの批判には、異議を唱えたくなります。
Judgementさんの勧める新書も読まず、的外れなコメントをし続ける横着さ、失礼、きっと多忙なんだと思いますが、そういうところからしても、仕方ないとは思いますが。

とはいえ、トンデモブラウさんのコメントは、的外れでもおもしろいです。Judgementさんに、長年ひっついてきただけのことがありますね。

【(た)さん】
ホメオパシーのレメディで、副作用が生じるとしても、取り返しがつくのではないかと思うのです。心理的な作用から、身体的な変化を引き起こしてしまったのであれば、またそれは、心理的な作用で、もしくは自然に時間が経てば、元に戻るのではないでしょうか。

薬剤の副作用は、もう取り返しがつかないのです。例えると、農薬をまきすぎて、土地がすっかりダメになってしまった農地のような。Judgementさんが別のことで、例えに使っていましたが、除草剤まきすぎて、全ての作物が枯れちゃったみたいな状況です。

農薬をまかない農業は、大変で、収穫量が半分以下になると聞いたことがあります。だから、全く農薬を使わないと、導入される前のように、食糧難になることがあるんでしょう。(農業関係はよく知らないのですが。)

でも、考えなく、まきすぎると、いろんな害が起きるでしょう。
人体も同じで、薬剤は、本当に必要な時に、適切なものを適切な量、慎重に使うべきです。OTC医薬品のように、気軽な存在にしてはいけないんです。
by cosi (2010-03-06 17:51) 

Judgement

【(た)さん】
>そこで、単純な疑問なんだけど、プラセボだったら逆向きにも作用することが
>ありますが副作用恐怖症の人はそれは心配にはならないの?

 ちょっと混乱しているところを整理。
 別にレメディに「プラセボ効果」を求めているんじゃない(本物と信じている)んだから「プラセボの逆向きの作用」という情報は、レメディへの心配にはリンクしないよ。

 分っているとは思うケド、「プラセボ効果」とは「偽薬」を投与する事自体の効果ではない。
 プラセボ効果とは、「これはこんな風に作用します」という暗示を与えれば、「偽薬」でもその作用が出る事があるという現象で、いわゆる「暗示効果」。
 当然ながら「これは偽薬ですよ」と言って投与した場合に「プラセボ効果」は生じない。 

 んで、「作用」は別にプラスの作用に限らないわけで
>毒だと思って砂糖玉をなめてしまうと体には悪い作用をもたらしますよね?
 というのも確かに「プラセボ効果」。
 
 一方「この薬には副作用もあるだろう」と思い込むと、「偽薬」でも副作用が出る場合がある。
 これも大枠ではフラセボ効果だけど、個別に「ノセボ効果」と呼ばれる。
 これは、正しい薬の「副作用」と同じ位置付けであり、作用の「逆向き」になるわけではない。例えば実際の薬で強い抗生剤を飲むと腹が痛くなるように、「求まれる作用」とは”別”の「あまり好ましくない作用」として現れると考えた方が良いでしょう。
 だから、ノセボ効果の事を言うなら、「逆向き」はチト不正確。

 んで、冒頭の問いに関して言えば、副作用に対する恐れが強い”副作用恐怖症”は「本物の(副作用もある)薬」と信じる事でノセボ効果は生じやすいかもしれない。
 ただし、それはあくまで「偽薬」を「副作用のある正統医療の薬」と信じることによる効果だから、「偽薬」を「副作用の無い特別な薬」と信じればノセボ効果は出ないと考えられる。

>ホメオパスへの信頼への迷いが生じると危い可能性があるような気もするんだけど。
 プラセボはあくまで暗示効果だから、「効かない」と信じてしまえば生じない。
 となると、ホメオパスへの信頼が無ければ単に「効かない」だけ。
 (っていうか、使わないとおもうが)
 という事で、「毒になるかも知れなくて」という危険は無いと考えるのが妥当じゃないかな。

>派によってはその元の物質にも怪しげなものが使われていたりするそうですよね。
>副作用というものを敏感に考える人だったらそういったことを聞けば
>レメディが怖く感じるような気がするし、従って悪作用が出てくると思うんだけど

 副作用恐怖症の人は、「怖く感じる」なら使わないんだってば。
 怪しげなものが使われているのを、「怖く感じる」ならそれは使わないだろうし
 怪しげなものを使っていても、「絶対悪影響は無い」と言われて信じるなら使う。
 だから、悪作用が出そうなものは使わないし、使うときは悪作用は生じない。

 あと、(た)さんは、「信じ込ませなくてはならない」状況を仮定したけど、だったら「プラセボ効果」という迂遠なやり方ではなく、手っ取り早く「催眠術」の方がいいと思うね。
 ただ、現在代替医療に手を出す人あたりは、代替側が信じ込ませるに努力しているというよりも、それを信じたい人が勝手に信じていてくれているから、そのあたりの問題は生じにくいと思う。

 人は「信じたいものを信じる」んだよね。
 副作用が怖い人は「副作用が無い薬」を求めている。でも、正統医療は、誠実ゆえ「そんなものは無い」と言わざるを得ない。そこで「これがそうですよ」と言われると、「信じたい」からそれを信じるんだね。


【cosiさん】
>常に、冷静で、頭脳明晰なJudgementさんには脱帽。
いやいや、頭脳は明晰ではないですよ。
いろんな事を考えて、まとまりが無くいつもモヤがかかっています。
ってか、褒められるのは苦手なので褒めるの禁止。

>ただ、トンデモブラウさんのように、ろくに自分ではホメオパシーのことを調べもせずに
>kikulogなんかの内輪の情報だけを頼りに、通常医療のことも知らないのに、
>自分の感覚だけでの批判には、異議を唱えたくなります。
 「自分の感覚だけでの批判」は私は嫌いじゃないヨ。
 自分が正しいと思った「誰かが言っている事」をなぞるだけの批判をする人は嫌いだけどね。

 私は、あるモノ事が、その人にはどう捉えられて、どう考えるかというのは知りたい。
 確かにある程度の水準の知識は必要だろうけど、あまり「ろくに知らないで」にこだわりすぎると、「意見を交わす」議論じゃなくて、単なる「知識合戦」に陥ってしまうので。

>Judgementさんの勧める新書も読まず
読む読まないは当人の自由。
ただ、読まないで著者を批判するのはダメよねぇ。

>Judgementさんに、長年ひっついてきただけのことがありますね。
いや~、私はひっつかれているとは思わないし
多分彼もひっついているつもりはないだろうし。
そのぐらいの距離感がちょうどいい
by Judgement (2010-03-07 01:11) 

トンデモブラウ

【cosiさん】

>ろくに自分ではホメオパシーのことを調べもせずに

ネットで調べられる範囲のものは調べてますけど。
100Cのレメディは、蒸留水100倍希釈×振とう×を100回ですよね。
水と何にも違わないし・・・というか手をかけた水じゃん。
これって知らない方が効くんじゃないのかなぁ。
原料はウ○コです、って言われても気にならないぐらい水ですよ。

>通常医療のことも知らないのに

医者じゃないのに、っていうなら何も言えませんね。
まさか、読まないのに批判するなっていうのと一緒ですか?
でも代替医療と違って、デメリットも公表されてますから、その部分だけ見ても代替医療より信用できると判断します。

では、cosiさんはどの程度ホメオパシーや医療に詳しいんですか?
その知識でホメオパシーの利点を述べればいいんじゃないのかな。
今のところ私の認めるホメオパシーの有効性は、ホメオパスの財布にプラスに働くってことと、利用者の心に働きかけるらしい、ってことだけですので。

【Judmenentさん】

>トンデモブラウさんが正統医療を活用するのは、100%治ると思い込んでいるからなのかな?

まさか。
正統医療=経験則、だって言ってるのに。
経験則=try&errorなのでerrorもあるでしょう、当然。
まぁ、活用段階でerrorはある程度把握されてるんでしょうけど。

でも、個人的主観では、代替医療の胡散臭さにくらべると、マシなんじゃなかろか、という感じかな。
水やおまじないで病気や怪我が治るとは、到底信じられないんだよなぁ。

>ホメオパシーで100%治ると思い込まされている

冷静になると、これは間違いでしたね。
「マジこんなんで、治ったらラッキー」と思わされている、ってのに訂正させてください。
そこにつけ込む商売ってのがヤなんですよね。
なので、社会的正義感が批判のモチベーションじゃなくって、オレ様が気に入らん!ってのがアンチな動機ですわな。
by トンデモブラウ (2010-03-07 14:13) 

cosi

「ホメオパシーは副作用のあだ花」という表現は、非常に的を得ていると思います。
ホメオパシーというあだ花を咲かせている土壌である、「副作用問題」を考えないで、まともなホメオパシー批判はできないだろうというのが、私の意見。
ここまですっきり、自分の考えがまとまってきたのも、Judgementさんのおかげです。褒めるのは禁止でも感謝ぐらいはOKですよね(笑)?

>あまり「ろくに知らないで」にこだわりすぎると
そうですね。それぞれの境遇が違うことを、つい忘れて、ひとりよがりになっていました。自分が副作用問題に注目せざるを得ない境遇だったから、そっち方面の知識に詳しくなっただけで、他の人はそうじゃくて当然。

【トンデモブラウさん】
私の考えるホメオパシーの利点は、副作用(通常の薬剤で生じるような)がないことにつきます。

>社会的正義感が批判のモチベーションじゃなくって、オレ様が気に入らん!ってのがアンチな動機ですわな。

そういう動機なら、なんの文句もありません。
「この<花>は、どうも生理的に嫌いなんだよ!」っていうのは、個人の自由。
「この<花>は社会にとって危険なので、善意の皆さん、科学的な皆さんで協力して刈り取りましょう」というのは、問題の本質である、土壌をみていない。
その<花>を刈り取っても、別の<花>が生えてくるってことがわかっていない。
by cosi (2010-03-08 13:17) 

トンデモブラウ

【cosiさん】

>私の考えるホメオパシーの利点は、副作用(通常の薬剤で生じるような)がないことにつきます。

副作用がないということは、効果もないってことですけどいいんでしょうか。
なんだか、この世の中で「自分に有利なことだけ起こる」というのを信じるっていうのは、社会経験の少なさや現実逃避願望なのかと思ってしまいます。
そんなに都合のいいものなんて、実際にはいっこもないよね。
「元本保証で高利回り」「EM菌」「下部会員が増えればウハウハでぼろ儲け」・・・プラスなメリットしかカタログに載らないものはみんな胡散臭いもんばっか。
個人的には「いいこと”だけ”起こる」のは、全部欺瞞だと思ってますけど。

「ホメオパシーのいい部分とは副作用がないことだけど、悪い部分は効果もないことです」ということであれば納得ですが、「効果がある」と信じることが、ホメオパシーのレーゾンデートルじゃないんでしょうか。
「効果があればめっけもんだ」と思わせないとダメですよね。
であれば、「副作用がないけど効果だけある」というのは、間違いなく嘘なのではないでしょうか。

個人的に「効果があればめっけもん」というのを商売にしているのは、非常に下品で徳の低い行為だと思っているので、そういったものを目にすればそういった視線からdisりますけど。
なので、ホメオパシーなんていう「雑草」は躊躇なく抜くし、違う「雑草」や「害虫」が湧けば、容赦なく駆逐する所存です。
by トンデモブラウ (2010-03-09 08:28) 

naoko

消費者の側から言うと、他人が雑草と判断するものであろうと、それに価値を見出す人がそれを買うのは、ぜんぜんアリだと思います。
それを食すのも当然アリ。
なんの問題もない。

その雑草の効果を信じる人①が、それを宣伝するのもアリでしょう。その行為は決して、下品でも徳が低くもない。
そこで、これは金儲けになりそうだ、と考えて、詐欺をする人②は、確かに下品で徳が低い。
しかし①と②の見分けは、どうするのかな?

②がいる限り、その撲滅のためには、①の人をも十把一絡げで非難するというのは、乱暴だな。
まるで、結婚詐欺や恋愛詐欺がいるから、〝結婚〟〝恋愛〟自体を非難するみたいな行為だぞ、それは。

そういう行為も少々、徳が低そうに見えるが…。

おそらく、雑草を目の敵にするのは、農業にはじゃまだ!という発想なのだろうけど、では、ここで言う農業とは?
『「科学教」信者にとって、住みよい社会を作る努力』という営為が、農業(雑草を抜くという行為)に見える。
愚樵さんの言うように、著しく排他宗教的な〝営為〟だナ。

わたしは、そんな排他宗教の蔓延する社会には住みたくないのだが…。
by naoko (2010-03-09 12:49) 

naoko

あ、別に農業するな!って言っているわけじゃないのよ。
だって、農業は人類にとって必要だもの。
ただ、農業は田畑指定の場所でだけやって、って言ってるだけ。
野山の雑草まで抜かれるのは、逆に一般社会にとってありがた迷惑なんだよね。

by naoko (2010-03-09 12:55) 

トンデモブラウ

【naokoさん】

いや、その詭弁ってマジですか。

私は「雑草」を「雑草」とし売ることに、何の文句もいいませんよ。
文句を言うのは、『羊頭狗肉』にです。
犬の肉を「ラム」だと信じるのはその人の勝手ですが、その犬の肉を「ラム」として売っちゃダメでしょう。
で、買う人は「ラム」だと思って買うわけでしょう。
これを普通『詐欺』って呼ぶんですけど、違うのか?

売った人が信じた経緯だの、その人の善意なんかは全く関係ない話ですけど。

>結婚詐欺や恋愛詐欺がいるから、〝結婚〟〝恋愛〟自体を非難するみたいな行為

これはそのまんま、『ホメオパシー擁護&現代医療批判』にも言えますね。
ただ、科学教側は、リスク・ゼロ神話は信じていない(程度問題を考慮できる)ので、雑草が生えたからって畑丸ごと焦土にするなんてこともしないんですよ。
いたって合理的なので。

私は雑草を野放しにする社会には住みたくないので。
by トンデモブラウ (2010-03-09 13:48) 

cosi

【トンデモブラウさん】
少し前のコメントでの

>医薬品は認められたエビデンスがあるので、例え金儲け主義だとしても批判されるべき筋合いではありません。
>有効性や副作用のエビデンスを捏造したとか、そういった問題であれば批判されるべきでしょうけど。

このあたりに対する意見を書きます。引用が多いので長くなります。

結論を言えば、少なくとも、「抗うつ薬」の有効性や副作用のエビデンスの捏造は、しているというお話。
これは、一部じゃ有名な話で、関連する本はいくつかあるのだけれど、私が一番読みやすく感じた本を、今回は紹介します。

『抗うつ薬は本当に効くのか』という、エクスナレッジ社から今年の一月に翻訳本が出たばかりのもの。著者はイギリスのハル大学理学部心理学科教授のアービング・カーシュという人。

この本のタイトルに対する答えは、「抗うつ薬は、効果があるけれど、プラシボと大差なし」。

抗うつ薬はいわば、活性のあるプラシーボであろうと結論づけています。
副作用を伴うプラシーボということです。

つまり、抗うつ薬を飲んで、確かに良くなったという人も、プラシボ効果が大部分というわけです。

カーシュは別に通常医療の批判者ではなく、もとは、うつ治療におけるプラシーボ効果の研究をしていたのです。

うつにも自然治癒があり得るので、自然治癒に対して、プラシーボの効果は優位なのかどうかという研究です。
自然治癒より、プラシーボの効果は優位であるらしいです。

ところが、それに関する統計的分析をしているうちに、抗うつ薬の効果がプラシーボと大差がないことに気付いたのです。

で、具体的には、FDA(米国食品医薬品局)に製薬会社から提出されたデータを、解析することで、それを検証していったのです。

抗うつ薬が、プラシーボと大差がないという事実は、隠され、患者はおろか処方する医師たちすら、知らなかったのですが、それは、製薬会社が自分たちの製品を実際以上の効能があるように見せるため、以下のようなことを行ったためらしい。

・よくない試験結果を公表しない
・よい試験結果は繰り返し公表する
・複数の施設で行われた試験から得られた結果のうちのいくつかだけを公表する
・FDAに提出したものとは異なるデータを公表する
(p-57よりの抜粋)

こういう、うまくいった試験結果は公表され、不首尾に終わった試験は好評されない傾向は、「公表バイアス」というらしいです。

グラクソ・スミスクライン社の、10代のうつ病患者における、パキシルの件がそれにあたります。
その部分だけ、p-59より抜粋します。

*引用開始*
その社内資料によると、グラクソ・スミスクライン社の「ねらい」は「予測される市場へのマイナス効果を最小限に食い止めるため、これらのデータが流出しないようにしっかり管理すること」だった。データの「堅牢性が不十分」であることを承知のうえで、同社は結果にばらつきのある研究結果を公表しようともくろんだ。同社は「有効性が見られなかったという文言を含んでいてはパロキセチンの評価に傷がつき、商業的に受け入れられないだろう」と考え、2001年にその研究結果が公表された折には、「パロキセチンは10代のうつ病患者に有効だ」として論文を結んでいる。
*引用終了*

2004年に、グラクソ・スミスクライン社は、「パキシルについての情報を医師に開示せず、こうした詐欺まがいの行為を繰り返した」として、告訴されています。

この裁判は二ヶ月後に決着し、同社はニューヨーク州に250万ドルを支払い、臨床試験の全ての結果を要約してオンラインで公開することに同意しました。

で、ほかの抗うつ薬メーカーもこの判決に準じた行動をとることが、期待されましたが、依然として、よくない結果の大半は公表されないままのようです。政府機関に公式に問い合わせるしか、入手するすべはないのです。

よくない結果を公表しないだけでなく、「いいとこどり」や「小刻み法」などの手法も使うらしい。詳しくは本を読んでください。

もっとすごいのは、規制機関であるFDAが、抗うつ薬がプラシーボを上回る優位な効果が見られないことを、医師にすら隠していたという事実。
FDAは、製薬会社に、うまくいかなかった臨床試験は隠すように、要請していたのです!

『ワシントン・ポスト』からの引用の部分を、p-66より引用します。

*引用開始*
昨日の議会聴聞会での証言と記録から、FDAは医師や一般の人々に情報を開示しないよう製薬会社に再三、要請していた。その情報は、抗うつ薬の臨床試験のいくつかで、小児においては砂糖の錠剤を上回る効果が得られなかったというものだ。製薬会社の重役の証言によれば、患者の家族や医師の抗うつ薬離れを懸念して、実地に得られた不都合な情報を規制機関の担当者が隠蔽したのだ。少なくとも三種類の薬に対して、不首尾に終わった試験結果を報告書に示すというメーカー側の意向をFDAは阻止したとのことだ。
*引用終了*

なぜ、こういうことが起きるかという疑問の答えは、「製薬業界と規制機関の金銭的しがらみ」にあるらしいです。

製薬会社からの資金の割合はFDAの予算の40%、欧州医薬品庁(EMEA)では70%。英国医薬品庁(MHRA)の場合、は収入のすべてを製薬業界からまかなっているんだとさ。

「これでは、番犬に食べ物をやってくれと泥棒に頼んでいるようなものだ。」と著者は言っている。しがらみを断ち切るには、規制機関の活動資金には国税をあてようよとも。全くだと思う。

で、笑っちゃったのが、この著者が、製薬会社の抗うつ薬におけるやり方について、「いんちき科学」と評していること。

ホントに、ニセ科学批判のみなさんも、ホメオパシーなんて誰にでもわかるインチキより、こういう手の込んだインチキを見破る方に能力を使って欲しい。

長くなったので、これで止めますが、この本は、後半のプラシーボ効果についての章が非常におもしろいのです。プラシーボ効果について興味がある人は、必読の本です。

これで少しは、私がホメオパシーの詐欺まがいの方が、製薬会社の詐欺まがいより「かわいい」と言った理由が、理解されたでしょうか?

※なお、そんな人はいないと思いますが、今抗うつ薬を飲んでいる人で、「プラシボ以上の効果がないならすぐ止めよう」と言う人がいたら困るので、一応、注意を喚起しておきます。
*急に抗うつ薬をやめると、離脱症状が起きることがありますから、絶対に中断しないでください!まずは、主治医に相談してください。*
by cosi (2010-03-09 13:59) 

cosi

ちなみに、『抗うつ薬は本当に効くのか』の原題は、
『The Emperor's New Drugs』
「裸の王様」の英語題の
『The Emperor's New Clothes』をもじったものの様です。
Judgementさんの、このブログのタイトルに縁がある(笑)!?
by cosi (2010-03-09 15:32) 

トンデモブラウ

【cosiさん】

だから、何?
一部の製薬会社のある薬品に不正があった、というだけでしょう。
naokoさんじゃないけど、「結婚詐欺のせいで、結婚はダメ」って言ってる人に見えますね。
不正を糾弾するのは当然ですが、それを現代医療全般に広げるのはあまりにも飛躍しすぎで無理がありすぎますよ。

で、国税をあてても薬害エイズ事件のようなものも起こるので、どうしてもインチキしてでも儲けたいヤカラは防ぎきれないんですね。
哀しいことに。
極刑にすればいいのに。

それに対して、ホメオパシーの100%がインチキですが、どこに「かわいさ」があるんでしょうか。
さっぱり理解できません。
ホメオパシー擁護の土壌に、こういった薬害不正事件防止に逆風なものも感じるのだが。
by トンデモブラウ (2010-03-09 16:11) 

cosi

>だから、何?
>一部の製薬会社のある薬品に不正があった、というだけでしょう。

私の引用の仕方に問題があったようですね。一部の製薬会社のある薬品という小さな問題じゃないのです。

抗うつ薬の市場は、一兆円を超えるものですが、それが、副作用を伴うプラシボみたいなものだったということなんです。医師も患者も、そして社会全体が騙されてきたってこと。

もちろん、まだ気付いていない人や、否定したい人たちもたくさんいます。ただ、カーシュのきちんとした統計に基づく分析を、科学的論理的に否定することはできないようです。

それに比較すると、ホメオパシー市場は、全て合わせて(歯磨き粉やらなんやらも)100億円は越さないようです。(ポンドの為替レートで変動しますが。)

それに、Judgementさんも、(た)さん向けのコメントのところで、仰ってましたが、ホメオパシーなどは、積極的に勧誘しているというより、スピリチュアルにはまりやすい、はまりたい人たちが、自らはまる状況です。今のところ、おそらくこれからも、保険診療になることはないだろうし。

それに対し、保険診療のプラシボである、抗うつ薬の副作用は、かなり壮観です。抗うつ薬の副作用で、治療が必要になれば、それも貴重な医療資源を使って治療するというわけ。

だから、同じプラシボなら、副作用のない方がいいじゃないかと言う話。
医療資源の無駄遣いも、抗うつ薬の方が比較にならないくらい大きいということ。

なお、この本の著者の勧める、一番のプラシボはCBT(認知行動療法)です。薬草のセントジョンズワートは勧めていますが、ホメオパシーには言及していません。

著名な精神科医の講演会なんかでも、抗うつ薬の効かない人にはCBTを併用するといい、なんて言ってます。
素朴な疑問で、「だったら副作用のないCBTだけにすればいいじゃん、効かなくて副作用のある薬を、わざわざ飲ます必要ないじゃん」と思っていたら、この本の著者も同じこと書いていた。

だから、社会に対する経済的負担と、患者さんに対する副作用の負担の面で、ホメオパシーの方がかわいいと表現したのです。
インチキならホメオパシーの方がまし。だいたいすぐにインチキとわかるから、はまりたくない人は、トンデモブラウさんのように避けるでしょう。

でも、抗うつ薬の方は、医師から勧められるんだから、よっぽど情報通で詳しくないと、拒否しきれない。副作用がひどくなければ、それでも、利点があると言えなくもないけれど、副作用が出てしまったら、目も当てられない。
by cosi (2010-03-09 18:34) 

Danio

【Judgementさん】

> コスト・ベネフィットを考える前に、「副作用」というもの自体が受け入れられなくなっているから「副作用恐怖症」を引き起こすのだと思う。
> 合理的に考えれば恐怖は生じないかもしれないけど、既に生じている恐怖は合理的な考えではなかなか消せないものらしいよ。

確かに。そりゃそうですね。合理的でないから「恐怖症」なわけだ。経験によるなら、いわゆるトラウマですね。精神疾患です。
だけど、恐怖を感じるかどうかと、論理的合理性を理解できるかどうかは(お互い影響があるにせよ)別の問題でしょ。さらに、合理的選択をするかどうかも別。
「犬恐怖症」のヒトは、”犬は必ず襲ってきて噛みつく。人類の敵だから駆逐すべし”なんて思ってなくて、大抵の犬が自分に危害を加える存在ではないと解っているけど、ただただコワイ。だから近づかない。
「飛行機恐怖症」のヒトは、飛行機事故より自動車事故の死亡率の方が高いと解っているけど、ただただ墜落死がコワイ。だから飛行機には乗らないけど自動車には乗る。
「副作用恐怖症」のヒトが、正統的な医療は効果も副作用もあって、ホメオパシーは効果も副作用も無いと理解した上で、ただただ副作用がどうしてもコワイ。だから、正統医療を受けた方がいいと解っているけど受けられない。で、じゃあ、代替的にホメオパシーをやりますか?やらんでしょう??
「閉所恐怖症」のヒトが、CTスキャンの必要に迫られたけど、どうしてもできない。で、占い師に診断頼みますか?頼まんでしょう?? …しつこいですね。
言いたいのは、自分が「恐怖症」であると自覚していれば、恐怖の対象から逃れる事は非合理的だと自覚もできる(場合が多々ある)。もちろん、「恐怖症」なので、合理的選択はできませんが。

私は(多分Jさんも?)、合理的選択をした方が助かる確率があがるのになぁって思いますので、「恐怖症」のヒトは、「恐怖症」を自覚して、なんとか克服できたらいいのに、と思います。

もちろん、副作用が怖いから、”副作用が無くて効くかもしれないホメオパシーにしよ”、って考えているヒトが大勢いるんだと思いますが、その選択って、「副作用恐怖症」の所為じゃないですよね。ホメオパシーが”効くかもしれない”って単に誤解している所為でしょ。情報があれば訂正できる余地がありますよね。

さらには、”近代医療は金の亡者の集金システム。副作用は非常に恐ろしく、公表されているのは氷山の一角。代替医療の方がまだまし”と副作用恐怖症を煽ったり、”効果無くたってニーズがあるんだからいいじゃん”とかいう擁護をする方々は、”自分こそが合理的である”と信じちゃっている(ように見えます)。たとえ「恐怖症」なのだとしても、自覚が無いから、論理的合理性を理解できない(のではないでしょうか)。適切な論理と情報に触れても訂正のしようがない。


> あと、「これをしなければ死ぬかも」と「これをすれば死ぬかも」は、心理的には後者の方がハードルが高いと思いますよ。
> だって、後者は未体験だけど、前者は少なくとも「ずっとしていない今は生きている」という経験が続いているわけですから。

いやいや、そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。だって、何かこれまでと違うから「これをしなければ死ぬかも」って状況なんだもん。「ずっとしてない今はつらい」という状況を変えたいか、変えたくないかって言ったら、リスキーでも変えたいと思うかもよ。って、典型的水掛け論ですな。

> だからこそ、慎重に扱われるんだし、基本的に「毒」と言って良いとおもう(まぁ、実際「毒」なわけだけど)。
> そういう意味では、人を殺す道具に比喩したのも、それほど外れてないと、個人的には思うのですが...。

薬が毒ってのは同意しますが、その毒は”薬”としての用法がある訳です。銃にそのような用法がありますか?という意味で不適切と感じます。



> 一切の躊躇無く?

熟考してコストベネフィットを推し量る事と躊躇は違うと思うので、一切の躊躇無く、です。

Jさんが、どうして”ホメオパシーに走る気持ちは分かる”なんて「表明」するのかが、個人的には不可解です。
そんな事言ったら、”血液型性格診断を信じる気持ち”だって、同様に分かるでしょうに。
by Danio (2010-03-09 20:02) 

cosi

>不正を糾弾するのは当然ですが、それを現代医療全般に広げるのはあまりにも飛躍しすぎで無理がありすぎますよ。

別に、現代医療全般を糾弾してはいません。

自然に治る風邪や、頭痛などのための市販薬や、抗うつ薬が、「百害あって一利なし」とまでは、いいませんが、ない方が良いと考えているだけです。患者さんへの、副作用の負担や医療経済的な面から言って。

抗うつ薬に反応するタイプのうつ病の人は、カーシュも書いていますが、ほんの少数だと思います。
今じゃ、社会不安障害やら、精神疾患を作り出してまで、SSRI(新型の抗うつ薬)を処方させようという勢い。

※くどいようですが、現在抗うつ薬を飲まれている方は、急に中断しないように!離脱症状が出ることがあります。(胃腸障害、流感様の症状、頭痛、睡眠障害、めまい、目のかすみ、無感覚、電気ショックを受けたような感覚、痙攣、手足の奮えなどが、約20%の人に現れるとされています。また、急に中止すると、数時間のうちにうつ症状や不安が現れることがあります。)これらも、『抗うつ薬は本当に効くのか』p-208からの抜粋。
by cosi (2010-03-09 20:13) 

naoko

【トンデモブラウさん】
>いや、その詭弁ってまじですか?

がはは、なんで詭弁に聞こえちゃうのかな?
単に、互いの〝住みたい社会〟が根本的に違うというだけじゃないかな。

わたしから見たら、りっぱなラム肉だけど、トンデモブラウさんにはインチキラム肉に見えているだけかもよ。
そもそも、ラム肉に求めるものが違うんだね、そりゃ。
あるいは何がラム肉かの定義すら違うね。
需要がなくなりゃ、自然に廃れるんだから、市場の原理に任せたら?と言っている。


>わたしは雑草野放しにする社会には住みたくないので

雑草抜かれるのが迷惑と感じる住民もたくさんいるって事。

「それでも、わたしは抜く!わたしは正しい!」というのが信者のやりかたじゃないのカナ。
by naoko (2010-03-10 00:22) 

トンデモブラウ

【cosiさん】

だから、抗鬱剤や市販の風邪薬なんて、ほんの一部じゃないですか。
現在使用されている薬のほとんどが、捏造されたデータによるもんだって言うのなら話は解りますけど。
一部の薬で不正が行われているから、じゃあホメオパシーだね、というのが非常に飛躍に感じるんです。
百歩譲って、クライアントがホメオパシーに流れれば薬害や不正が減る、ということでもあれば、納得はしませんが理解はできます。
でも違うよね。

【naokoさん】

そりゃ100%詭弁ですがな。
「ラム肉」はどう考えても、「子羊の肉」を差しますよ、普通。
売り手が名付けた固有名詞とか呼び名じゃダメでしょう。
そんなこと言ったら、産地偽装とかインチキ成分表示とか何でもありじゃないですか。

なるほど、「優しいふり」とか「偽りの優しさ」も「優しい」に含めるわけだ。
世の中に犯罪者とかいなくなるね、そういう定義だと。
「騙される方が悪い」<<<「騙すという行為は存在しない」、ってことですね。
すばらしく懐の広い切り口ですが、そういう雑草ぼうぼうの社会には住めないなぁ。
まだ「騙される方が悪い」という社会の方が住みやすそうだ。
by トンデモブラウ (2010-03-10 08:30) 

naoko

【トンデモブラウさん】
ラム肉の喩えはトンデモブラウさんの持ち出した例に合わせたつもりだったんだけど、ね。
やっぱりすれちがうねえ。
つまりね、わたしの考えるキリスト教の信仰と、トンデモブラウさんの信仰のかたちが違うように、って言った方がいいかな。
その場合の〝信仰〟という言葉の意味や、信仰に求めるものが、まったく互いに違うんだよね。
おそらくそれは世界観の違いでもある。
わたしは、現実に作用を及ぼす〝神〟や〝霊〟の存在を信頼するもの。

だから、トンデモブラウさんにとって雑草でも、わたしにとっては雑草じゃない、というものが、たくさんあるんだよね。

by naoko (2010-03-10 13:43) 

(た)

Judgement さん、

ホメオパシーを使う段階で副作用がないことを信じてるはずから、問題ないという見解ですね。わかりました。

>人は「信じたいものを信じる」んだよね。

まぁ、そうですね。それで何回泣いたことか(涙)。
デモ、それが面白いところでもありますよね。「信じたいものを信じる、見たいものを見る」のが良い結果をもたらすこともありますよね。同時に一歩下がって横から見てみるということも大事だけど、ね。(でもそれがいつでも簡単にできたら苦労せぬ。)
by (た) (2010-03-10 13:56) 

(た)

cosi さん、
> 心理的な作用から、身体的な変化を引き起こしてしまったのであれば、
> またそれは、心理的な作用で、もしくは自然に時間が経てば、元に戻るのでは
> ないでしょうか。

それについては私にはわかりませんが、

ホメオパシー→副作用→レメディー恐怖症

という副作用恐怖症の生じる構造をホメオパシーも持ってるんじゃないですか?ということを気にしてました。ホメオパシーを使う人はホメオパシーに副作用がないと信じて服用するということであれば、この流れにはならないのでしょうね。レメディを飲んだ直後に信心が失なわれたらどうするんだとか細かいことで気にならないことがないわけではないけど、まぁ、いいや。

ところで、「cosi さんにとってのホメオパシー」を私は少し勘違いしてたかも知れません。

ホメオパシーを「あだ花」と評したり、抗うつ剤と関連したとこでは大悪の前の小悪を許せ的な議論をしたり、「正統医療」を落とすのはともかくなんで一緒にホメオパシーも落とすんだろうなぁ、なんて思って読んでましたが、同時に cosi さんとホメオパシーとの微妙な距離感を勝手に感じてたりしてました。私への返事からもうすうす感じられるのですが、cosi さんはホメオパシーが(普通の薬としての)効果があると思ってるわけではなく、

> 私の考えるホメオパシーの利点は、副作用通常の薬剤で生じるような)が
> ないことにつきます。

なんですね?

まぁ、それはどっちでもいいですが、本題に戻ると副作用恐怖症に対してホメオパシーは有効なんですか? cosi さんの書かれたものを見てると副作用恐怖症の人にとっての一種のかけ込み寺としての役割があるのかなと思う反面、本当に薬が必要な状況ではホメオパシーでは力不足ですよね。 例えば"リハビリ"としての働きがホメオパシーにはあるのですか?(そうでなければ何も解決してなく、単なる問題の先送りのように思うんだけど。)

次に、副作用の問題を生じさせないための予防としてのホメオパシーですが、これについてはそもそも何故ホメオパシーが出てくるのかがわからない。肝炎などひどい副作用が避けられない場合もあるけど(恩師はそれで苦しみましたが)、そこまでくるとホメオパシーは無力でしょうし。市販の薬の長期服用の問題にしたって、そこでホメオパシーを持ち出す必要はないわけでしょう? 風邪程度では薬を飲まないほうが良いということについても、その弊害を訴えるなりして"リテラシー"の向上に努めるのであればわかるんだけど、そこでホメオパシーを持ち出しても根本的には何の解決にもなってないわけでしょう?普段の健康、食べ物や生活習慣に気を付けましょう、ということにしたってホメオパシーを持ち出す必要はどこにもないわけですよね?


簡単に言えば、現在の医療に問題があるとしても、そこで何故ホメオパシーが出てくるのかがわからないということです。医療の抱える問題は解決していかなければならないことですが、ホメオパシーがそういった問題に有効であるとはとても思えないんですが。

今、ホメオパシーを頼りにする人がいてるから、というところを否定したいわけではないですよ、念のため。その状況を続けることが患者さんにとって前向きであるとどうして言えるのか?という点について cosi さんに教えて頂けたらな、と思うのですが。できれば「正統医療」の弊害を語るだけではなく、ホメオパシーの内実に即して。

ひょっとして、cosi さんの中ではもうちょっと状況を限定してホメオパシーを考えていませんか?例えば精神関係の病に限定したホメオパシーの有効性を一般化して語ってるとか?
by (た) (2010-03-10 13:58) 

cosi

【(た)さん】
>副作用恐怖症に対してホメオパシーは有効なんですか?
>例えば"リハビリ"としての働きがホメオパシーにはあるのですか?

プラシボ効果があるのかもしれないと、思っています。

>市販の薬の長期服用の問題にしたって、そこでホメオパシーを持ち出す必要はないわけでしょう?
>普段の健康、食べ物や生活習慣に気を付けましょう、ということにしたってホメオパシーを持ち出す必要はどこにもないわけですよね?

ホメオパシーだけでなく、他の漢方や、アーユルヴェーダ、鍼灸などの代替医療の利用も含めて、生活全体を見直す方が、その場しのぎの市販薬に、依存するよりは良いという意見です。

だから、Judgementさんの、問いかけの、代替医療か何もしないかという問いも、なるほどねと思っていて、代替医療を利用せず、自分でいろいろと、試みたり、試みなかったりというのも、もちろんありです。

ただ、自分で何か健康のためにと思って、本屋なんかに行くと、正当医療はもちろん、代替医療系の健康本が溢れています。
それに対して「エビデンスがそろってないから」と危機感を持つ人もいるんだろうけど、長年伝わってきた方法にそんなに危険なことはないと、私は思います。
私はそれぞれの方法に、見るべきところがあるし、自分で自分に合う方法を取り入れればいいのだから、そんなに心配する必要はないと思っているのです。
それよりも、市販薬を気軽に飲むことからの、副作用の危険の方が心配です。

>その状況を続けることが患者さんにとって前向きであるとどうして言えるのか?

何も生活を反省せず、症状が出たら、市販薬を買ってきて、その症状を抑える薬を飲んでやり過ごす方が、前向きではないと思います。
ホメオパシーにするのか、漢方にするのか、鍼灸にするのか、何もしないのか、市販薬に頼るのか、個人の好みの問題じゃないかと思います。
生活を反省して、変えていく方法なら、どれでも前向きといえるのではないでしょうか?
だから、ホメオパシーのレメディだけとっていて、生活を変えないのは、前向きではないでしょう。副作用の危険性はないですが。

>精神関係の病に限定したホメオパシーの有効性を一般化して

ホメオパシーの効果が、プラシボ効果によるとすると、精神的な要素が強い病気の方が、よく効く可能性はあるのかなとは考えています。
心身症など、体の病気でも、心理面が深く関わっているものもありますから。
by cosi (2010-03-10 15:31) 

トンデモブラウ

【naokoさん】

相対的価値観でいえば、当然そうでしょう。
ネズミ講で儲けたい人はマルチ商法規制に反対するでしょうし、サラ金業者なら利率規制に反対するでしょう。
テッド・バンディやアントニオ・デサルヴォなら強姦を合法化したいかもね。

で、そういうことを議論しているんじゃなくって、その相対的価値観のすり合わせの話じゃないの?
ホメオパシーの生き残る道は、そこにしかないと思いますけど。
今のところの線引きは、最初のラインからちょっとも動いていないのですが、歩み寄れないのは私のせいですか?
by トンデモブラウ (2010-03-10 16:23) 

トンデモブラウ

一旦整理のために、個人的所感を。

代替医療に頼るというのは、「治ればめっけもの」というスタンスだと思っています。
で、そこに頼る動機付けとしては、「治った例があるし、何の副作用の心配もない」ということじゃないかと。
代替医療はきちんとした科学的エビデンス(あるいは統計的な証拠)がないので(まぁその性質上無理でしょうけど)、極々稀な『治った例』という有効性だけが強調されるからじゃないでしょうか。
「治った例」というのも嘘じゃないだろうし。

一方、現在の正統医療は、きちんとした科学的データがあるので、治ったケースと同時に副作用によるデメリットなケースもデータとして残るわけです。
当然、100%完治する治療法もないだろうし、副作用0%の治療法もないでしょう。

個人的には「治ればめっけもん」につけ込む商売は品がない、と感じるわけですが、まぁそこは人それぞれなのでしょうがないですね。
でも、「治ればめっけもん」な治療法に頼るって客観的にみてどうなんでしょうか。
「副作用がヤだけど、治りたい」なんて言うのは、ただの無いものねだりの我儘にしか思えないんですけどねぇ・・・
by トンデモブラウ (2010-03-10 16:36) 

cosi

【トンデモブラウさん】
>一部の薬で不正が行われているから、じゃあホメオパシーだね、というのが非常に飛躍に感じるんです。

そういうことを、言っているつもりはないです。そう受け取られる書き方をしたのかもしれませんが。

病気にもいろいろあります。非常に重いものから、病気とは言えないほどの、軽いものまで。
先天性心疾患などの、手術でしか救われないものや、遺伝的なもので補充し続けるしかないものから、花粉症などの、命にかかわらない軽い不調まで。

自然治癒する風邪や、花粉症、女性の生理前後の軽い不調などに、市販薬で症状を抑えるだけで、食生活や睡眠、運動などの生活改善をしないでいるより、ホメオパシーなどの代替医療を利用するのも、ありではないかという主張なのです。

そういうところまで、禁ずるべきだというのが、トンデモブラウさんの主張なんですか?
マイナートラブルにも、代替医療を利用せず、総合感冒薬や鎮痛剤を買って飲めということなんですか?

肝心なのは、先天性心疾患における手術は、治しているといえますが、風邪における総合感冒薬は、症状を押さえ込んで一時的に楽にしているだけで、治しているわけではないということです。風邪は自然に治っているのです。

生理時の鎮痛薬も同じです。生理前後の不調などは、漢方などでは、体の冷えなどと表現されて、いろんな生活改善法を提案されます。そういうことを試みることが大切なのではと思います。

「取り合えず、痛み止めの薬飲んで、忙しい時期を乗り切ろう」とか言いながら、無理を重ねて、ますます不健康になっていく人が、結構いると思います。
by cosi (2010-03-10 21:45) 

MAA

トンデモブラウさんがご自身の主張に反して丹念に対話の
努力を重ねている姿に感動して書きこみます。

プラセボ効果なんて、何にでもあるものですから
それをホメオパシーの「効果」と呼ぶことには違和感が
あります。小麦粉を渡す医者について「プラセボ
の医療を行った」と言うのと同じ違和感です。プラセボ
効果自体は、近代的医学が前提としていない心身の関係
を提示しているみたいなことを確かベイトソンが言っていた
と思いますが、それはホメオパシーとは全く無関係です。
(ベイトソンの主張が正しいと言いたいわけではありません)

さて、うちの母親は、何十年か前、ひどいリュウマチの
痛みを和らげるため、「まじない」治療を受けたことがあります。
まじない師は「自称」キリスト教の人で、「霊的治療」を行う
って言っていました。母親自身はそんなもんなんも信じてない
人ですけれど、リュウマチの痛みを見かねた友人が紹介
して、まあ人間関係のために受けた「治療」です。
信じていればプラセボでも何でもありえたかも知れませんが、
信じてもいないので、別に痛みが楽になることはなかった
ようです。

父親の方は、かなり癌が進んだときに、親戚が勧める「光線
治療」を受けたことがあります。これは能書きでは「可視光線」
が癌でも何でも治す、ってものですが、実際の所、光線より
熱が痛みを紛らわす、程度の効果はあったようです。わたしも
使ってみましたが結構ぽかぽかと暖かくて良い気持ちでした。

私自身は、友達のために一日を使って「まじない」を受けて
あげた母親も、親戚の勧める光線治療器を買った父親も
責める気は全くありませんし、通常医療の妨げにならない
限りにおいて、こうしたものを勧めた母親の友人や父親の
親戚を責める気もありません。その人たちは全員が善意
からのことですし、お金以外の実害はなかったのですから。

しかし社会的認知という点では、ホメオパシーは可視光線
治療より下、まじないと同レベルにあるべきだと思います。
今既にそうなら問題はないのですが、そうでないと考える
人がいるので激しい批判に晒されているのではないですか。
(さすがに厚生大臣も「お祓い」を例示してはいませんわな)。

そんなものを代替「医療」と呼ぶから話がややこしくなる
わけです。どんな効能もレメディ自体にないことははっきり
しているのですから。この点が漢方や鍼灸との大きな
違いです。

だから、何の効能もないホメオパシーを漢方や鍼灸などの
「代替医療」の枠組みに入れるcosiさんの考えは端的に
間違っていると思います。むしろ霊感治療やお祓いと同じ
カテゴリーに入れて、擁護するならその上で擁護するべき
でしょう。
by MAA (2010-03-10 22:37) 

cosi

MAAさんのコメントは、私が考えていなかったところをついていて、なるほどと思いました。

ただ、ほとんどの代替医療の本には、ホメオパシーも含まれています。
また、その手の本には、霊感治療やヒーリングも載せているものもあります。
例えば、私の持っている『代替医療ガイドブック』バリー・R・キャシレス著には、54種の療法が載っていて、アーユルヴェーダや中国医学だけでなく、信仰療法やシャーマニズムも載っています。
代替療法といっても、いろんなものが含まれているのが現状のようです。

もともとは、代替医療の概念は、欧米で考えられたようなので、東洋医学全般も含まれることになったわけです。だから、漢方や鍼灸も、ホメオパシーやその他のものと同列に、代替医療に含まれてしまったのでしょう。

日本では、西洋の医学が入ってくるまでは、漢方が主流医学だったのですから、漢方や鍼灸とホメオパシーを同列に扱うのは、かなり抵抗があるのも、理解できます。私も、違う位置づけで考えています。
by cosi (2010-03-11 00:34) 

naoko

【トンデモブラウさん】
>最初のラインから一歩も動いていない
そりゃそうでしょ。
だから、価値観の対立なんだから、どうしょうもない。
わたしにとっちゃ毎度のことだから、VSニセ科学批判の論争の成り行きは。いつも、こんなもんだよ。

わたしから見ると、トンデモブラウさんの返答はいつもちょっとずれてるんだよね。

>ねずみ講で儲けたい人は、云々。
三つほど例を並べているけど、どれも、養護する当事者は〝利〟を求めている、という例ばかりだよね。
トンデモブラウさんの論法によると、わたしがある価値観を養護するのは、それがわたしに利があるから、ということになる。
じゃあ、ある信仰を選ぶのは、それが利があるから、だろうか?

「騙される方が悪い」<「騙すという行為は存在しない」
じゃなくて、「騙そうとする人」<「純粋に助けようとする人」じゃないか、と当初から言っているんだけどね。(←ここも、微妙に話がずれていってる。)
それに同意しないとは、性善説のトンデモブラウさんらしくもない(笑)。

だから、「科学的に効果は証明されていない」「科学的には効果はないと考えられている」でいいんだよね。
そっから先は、信じるか、信じないか、の話。だから、信仰の領分なのよ。
そこで、相手の信仰まで「インチキ」とけなすのは、社会に毒を撒き散らすのといっしょだからやめたらどうか、と言っているだけなんだけど。
どうして、こんな普通のことが通じないのだろう???
実に不思議だナ。
by naoko (2010-03-11 02:59) 

トンデモブラウ

【naokoさん】

>VSニセ科学批判の論争の成り行きは。いつも、こんなもんだよ。

そうだろうか?
cosiさんとの「対話」は、ちょっとずつ進んでますよ。
なぜかって言うと、私とcosiさんとnaokoさんの間で、「ホメオパシーはインチキである」というコンセンサスは取れていますよね。
で、naokoさんは、「インチキでもいい」という主張でしょう。
私とcosiさんは、「インチキはダメ」という立場なんですよね。

で、私とcosiさんの「対話」で対立している部分を説明すると、
例えば、仮にインチキを篩にかける装置があるとします。
この装置に「正統医療」と「ホメオパシー」をかけると、「正統医療」に含まれるインチキ部分は篩にかかって、インチキのないものだけが残るとします。
「ホメオパシー」は100%インチキなので、全部下に落ちちゃうことになりますね。
その結果に対する判断基準が、「インチキを取ってもいいものが残っているじゃないか」という主張の私と、「落ちちゃったインチキ部分の量は、圧倒的に『正統医療』が『ホメオパシ-』より多いじゃん。そんなのヤだ。」という主張のcosiさん、という違い。
要するに、「リスクとベネフィットを比べて評価しましょうよ」という私と、「リスクの総量で比較しましょうよ」というcosiさん、という感じかな。
そこで、「世の中にベネフィットだけ求めても、そんな理想的な方法なんて存在しないよ。」と説得している私。(←いまココ)

それに対して、「インチキでもいい」という主張には、最初っから次元が違うので歩み寄っても近づけないですよね。
完全「対話」拒否な鎖国状態だと思いますけど。
せめて、「インチキじゃない」という主張でないと、「インチキはダメ」というのはその人の主観だけじゃん、というのは・・・どうなんでしょう?
無敵の「対話」拒否じゃなかろうか。

というのが、私の今までのcosiさんとnaokoさんとの「対話」に関する理解度ですが、誤解や勘違いがあれば指摘してください。
by トンデモブラウ (2010-03-11 08:36) 

naoko

>「ホメオパシーはインチキである」というコンセンサス(同意事項)
はあるか?

なかなかいい質問です。

「ホメオパシーの効果は科学的に証明されていない」「ホメオパシーの効果は科学的にはありえないとされている」というコンセンサスはありますよね。
それは、常に主張されてよいというコンセンサスはあると思います。

では次に、『科学的に効果が否定されても、それでも効果を信じる人がいるとしたら、それはその人の〝信仰〟ですよね?』というのがわたしの再三の質問。

それに対して、「科学的・論理的に効果がないとされているものを信仰するのはインチキだ!」「インチキを広めるのは詐欺だ!」「詐欺は徹底的に駆除すべき!」というのがトンデモブラウさんの主張。

逆にわたしは「科学的にはありえない、と言及するだけで十分」「科学的にはありえない=現実にありえない(インチキ)、ではない」(←ここ、重要)「そして、それ以上他人の信仰に対してとやかく言うべきじゃない」という立場。

ここから、もし、『科学的にありえない=現実にありえない(インチキ)』を主張するなら、それはほとんどの宗教を敵に回す『科学教VSその他の宗教』の宗教戦争になりますよ、というのがわたしの主張。

それに対して、『「非科学的な信仰が現実に作用をもたらす」とする宗教は全てインチキ』「信仰は全て自分の脳内ファンタジーに留めておいてほしい(つまり、布教するな!)」とするのがトンデモブラウさんの主張。

ということは、プロテスタントでも、古典的な聖書の教えに忠実なアドベンチストや、霊的なものを大切にするペンテコステは布教するな!ってことになりますよね。
あと、霊的な呪術として護摩を焚く真言密教とか曼荼羅を用いる吉田神道とかも、もちろん布教禁止ってことで。
さらに、新興宗教はほとんど全部布教を禁止すべきという主張だね。
つまり、これらは全て〝雑草〟であり、駆除すべきである、と。

『その、「かなりの宗教を敵にまわしてよしとする」態度は、科学教の使途という感じではなかろうか?』という感想がわたし。
なぜって、わたしにとっては、それらの信仰はどれも〝雑草〟でも〝インチキ〟でもないから。

ここで、『「科学的・論理的でないもの」は社会から駆除すべきである。なぜならそのようなことは現実に起こりえないから』とするトンデモブラウさんの主張と、『「科学的・論理的でないもの」を社会から駆除しようと試みること自体まちがいだ。なぜなら、そうした不合理な現象は起こりえるから』とするわたしの主張が平行線をたどっている。

ここの認識の違いは大きい。
「それはオカルトだ!(科学教)」vs「いや、オカルトって普通にあるでしょ(反科学教←科学否定ではない、ここ大事)」という感じで。

しかし、残念ながら、「君は科学を否定するのか!」VS「いや、科学はぜんぜん否定していない、否定しているのは科学教だけだから」という展開になってくる訳。

ここで、どこでも大体話はストップするんだよね、毎回。
by naoko (2010-03-11 12:30) 

トンデモブラウ

【naokoさん】

まず、「科学的にはありえない」<<<「現実にありえない」、です。
「現実にありえるのだろうか」というものを科学的に検証した結果、肯定的な結果がでなかった場合に「科学的にありえない」となるわけです。
当然、全ての事象が科学的に解明できていないからね。
「現実にありえない」方が、何ケタもありえなさ度が高いんですよ。

で、「科学的にありえない」=「現実にありえない」、ということも当然あるわけですよ。
なぜなら、科学(=自然科学)とは、現実の現象を説明したものにすぎない経験則だから。
これは、科学教と揶揄されるような、科学万能主義や科学至上主義じゃなくって、科学の本来の姿ですからね。

なので、奇跡に類するものは、「科学的にありえない」=「現実にありえない」と言えるんです。
なら、現実に起こった奇跡的な事象はどうなんだ、というと、それは単に奇跡ではないというだけの話。
詭弁じゃなくって、起こりうる可能性があったってことね。
それが、客観的に観測できる事実であればですけど。

私は科学者ではないので、ホメオパシーだろうがおまじないだろうが、それに効果があるのであればその発現機序がはっきりしてなくてもOKな立場なんです。
オカルト好きだし。
なので、マントラを三回唱えれば効果1.5倍、というのでも実際に効果が50%増しになってさえいれば、その効果を認めます。
でも、その効果の説明にインチキ丸出しの説明、例えば「宇宙からのフリーエネルギー」だの「先祖の祟りだの」って言われると、ちょっと待てと。
本当に効果あるなら、「何だか解りませんが、効きます。」でいいじゃん。
なぜ欺瞞で偽装するのか解らん・・・というか解る、インチキだからだね。

要するに、「科学的に解明されていないもの」ってのはいっぱいあるだろうし、これから科学的に解明されたり修正されたりすることもあるでしょう。
でも「現実にありえない」ことが起こることはないのよ。
あなたが「現実にありえない」と思っているだけじゃないか、という返しはナシな方向で。

加えて、他人の信仰に口出しするな、ってことには否定はしません。
でも、インチキを介して第三者に布教することには口出します。
これはJudgementさん流に言うと「手助けしたい」から。
インチキで幸せになる社会なんてのは、まっぴら御免なのでね。
これはインチキを布教しようとしている人と同じステージに見えるかもしれませんが、私の立ち位置はインチキじゃないからね。
全然違うでしょ。
by トンデモブラウ (2010-03-11 14:08) 

cosi

トンデモブラウさんの口達者には、感心させられます。
対面で話していたら、朦朧としてきて、いいくるめられるに違いありません。
金本選手のイメージから、テッド・バンディのイメージに変わってきました(笑)。冗談きつすぎますか?人を口でいいくるめる能力の面だけで、言っているのでご勘弁を!

>私とcosiさんは、「インチキはダメ」という立場なんですよね。
「はい」と言いそうになりますが、違います。
製薬会社のインチキと、ホメオパシーのインチキは質、量ともに違うのです。それで、私は、製薬会社のインチキは許せないけれど、ホメオパシーのインチキは許せるのです。

>「ホメオパシー」は100%インチキなので、全部下に落ちちゃうことになりますね。

なにをもって、100%インチキでベネフィットゼロとするのか、わかりません。いいところがないわけでは、ないでしょう。信仰の部分での、気持ち的な面での、癒しは存在するでしょう。プラシボ効果もあるでしょう。

>「落ちちゃったインチキ部分の量は、圧倒的に『正統医療』が『ホメオパシ-』より多いじゃん。そんなのヤだ。」という主張のcosiさん

だから、量だけでなく、質もかなり悪質なのです。製薬会社のインチキの場合。
それに、何度も書いていますが、『正統医療』と『ホメオパシー』を比較しているのではなく、市販薬などの、限定された部分で、つまり、病院にかかるほど、重症でない軽度の不調や、または治療法がない部分において、『薬』と『レメディ』を比較しているのです。

先のコメントで、私が「先天性心疾患の手術うんぬん・・」と書いたのを、読んでくれているのでしょうか?

>そこで、「世の中にベネフィットだけ求めても、そんな理想的な方法なんて存在しないよ。」と説得している私。(←いまココ)

対面だったら、あまりの口の巧さに説得されてるかも(笑)。
by cosi (2010-03-11 14:13) 

(た)

cosi さん、

お返事どうもありがとうございます。ホメオパシーの独自の利点については教えて頂けませんでしたが、cosi さんが代替医療をどう考えてるかについてはわかりました。特に

> 生活全体を見直す方が、その場しのぎの市販薬に、依存するよりは良いという意見です。

これは全くその通りだと思います。

ところで cosi さんの考え方は「正統なホメオパシー」から見れば「異端」ですよね?

いえ、異端だから悪いと言ってるわけではないですよ。cosi さんの考える代替医療との接し方は私にも十分納得いくものですから。異端というのは,例えば

> 自然治癒する風邪や、花粉症、女性の生理前後の軽い不調などに、市販薬で症状を
> 抑えるだけで、食生活や睡眠、運動などの生活改善をしないでいるより、ホメオパシー
> などの代替医療を利用するのも、ありではないかという主張なのです。

という考え方以上のことを日本ホメオパシー医学協会は主張してますよね? (で、今引用させて頂いた cosi さんの主張を大きくはずれたホメオパシーあるいは代替医療の使用については cosi さんは否定的だったと記憶してます。) また

> だから、ホメオパシーのレメディだけとっていて、生活を変えないのは、
> 前向きではないでしょう。

にしても、レメディの単独販売を許してるという段階でその趣旨に沿わない使われ方がされるであろうことは容易に想像できますし、実際にホメオパシー関連団体の使用者の掲示板を見れば、安易にレメディに依存してる状況が見てとれます。

この理解でよろしいでしょうか?
by (た) (2010-03-11 16:14) 

cosi

(た)さんには、私のコメントを読んで、かなりのところを理解していただけたようですね。
ありがたいことです。

>cosi さんの考え方は「正統なホメオパシー」から見れば「異端」ですよね?

「正統なホメオパシー」がどのようなものか、私はあまり理解できていません。
日本ホメオパシー医学協会の主張をホームページで読んでみましたが、「自然治癒力を喚起する」という漠然とした説明で、どの程度の主張なのかよくわかりませんでした。
私の考え方以上のことを、主張しているのでしょうか?
もし、必要なときに、医療を受けさせないようにしているとすれば、それは、批判されるべきでしょう。

ホメオパシージャパンのホームページを見てみたら、「医師など専門家への相談が必要と思われる場合は、これを制限するものではありません。」という表現をしていました。このあたりの微妙な表現が物議をかもすのでしょうか?

レメディの単独販売だけで、レメディ依存が生じるというのは短絡的だと思います。
(トンデモブラウさんの嫌いな)ロハス系の人達なんかは、雑誌の特集とかで、食生活にも気をつけながら、ヨガやピラティスなど運動もしながら、「ちょっとした不調には、市販薬じゃなくて、レメディやバッチフラワーやアロマやハーブです」とか言っているので、そういうものは、問題がないのではないでしょうか?

もちろん、安易にレメディに依存している人たちもいるでしょうから、それは良くないでしょう。生活を見直さないと意味ないよと、啓発する必要性はあると思います。
by cosi (2010-03-11 19:15) 

MAA

naokoさん
>逆にわたしは「科学的にはありえない、と言及するだけで十分」
>「科学的にはありえない=現実にありえない(インチキ)、ではな
>い」(←ここ、重要)「そして、それ以上他人の信仰に対してとや
>かく言うべきじゃない」という立場。

その立場の人は、「対話」重視の社会などを肯定すべきでは
ないと思う。
とやかく言ってはいけないという倫理的根拠は何なのですか?
naokoさんの議論では「いんちき」など存在しなくなるとか、
いろいろ突っ込みどころはあるけれども、それよりも根本的な
「立場」が全く非対話的ではないですか?
by MAA (2010-03-11 23:18) 

Judgement

大した発言してないのに、割り込んですまない(ブログ主特権)

【MAAさん】
>その立場の人は、「対話」重視の社会などを肯定すべきではないと思う。
それは何故ですか?

>とやかく言ってはいけないという倫理的根拠は何なのですか?
こういう問いをするならば、まずMAAさんから
・ とやかく言っていいのか
・ その倫理的根拠は
・ そもそも倫理の問題か
を説明して欲しいよぉ。

>naokoさんの議論では「いんちき」など存在しなくなるとか、
>いろいろ突っ込みどころはあるけれども

そういうのは、突っ込んでから言うこと。
そぶりだけで水増ししないで。

>それよりも根本的な「立場」が全く非対話的ではないですか?

だから何故そう思うの?
そもそも、あなたが言っている「対話」とは何で
naokoさんの何がその対話を阻害しているの?

頭に浮かんだ自分の疑問を説明無しに突きつけるのは
ここではやめてほすぃ。
相手が答えてから自分の反論を考えるようになりそうで
つまらん、つまらんよう。

「自分の立ち位置」を明確にしないと、なんでそう思うのか他者にはわからんし、答えようがなくなる。
それこそ「対話」が成りたたんのですよ。

 いやnaokoさんを擁護し、、MAAさんだけを批判したいわけではないよ。

 たまたま、チェックした時に一番下に有り、しかも簡素すぎたから目に付いて槍玉に挙げただけで、他の皆さんもご留意願いたい。

 どうも、全体的にヒートアップしているようですが、そんな時こそ「単なる言い合い」になりませんよう、熟考を。
by Judgement (2010-03-12 00:49) 

naoko

【トンデモブラウさん】
>「先祖の祟り」「宇宙のフリーエネルギー」
それ自体、おそろしく非科学的な説明じゃないですか。どこも科学を装っていない。
もともと科学の土俵にたった説明じゃないのだから、それについてインチキと攻撃するなら、完全な科学教だあ(苦笑)。
ついでにあらゆる非科学的なキリスト教神学や仏教教学、神道、ニューエイジ系の新興宗教もふくめて、その調子で全部攻撃してください。
おそらく、なんの実りもないでしょうが。

集金装置としての教団組織やスピリチュアル商法を攻撃したいなら、むしろ信仰の土俵の内側で争った方がはるかに実りがあります。わたしの経験上。


by naoko (2010-03-12 00:53) 

トンデモブラウ

【cosiさん】

なるほど、ちょっと違ってましたか。
でも、プラセボ効果がホメオパシーのベネフィットというのは、間違いですね。
プラセボ効果は、偽薬の方じゃなくって服用する人に依存しているので。
要するに、偽薬の方はレメディじゃなくっても効果は相手次第。
受け取り側依存じゃ、ベネフィットとしてカウントできないんじゃないかな。

なので、まとめ直します。(具体的な数字に裏づけはありません。判りやすくするためですので。)
「1000人中1人に副作用があるかもしれないけど、750人以上は症状が回復するなら正統医療を選択した方がベネフィットが大きい」と主張する私に対して、「1000人中1人でも副作用があるなら怖いので、効果がなくても1人も副作用のでないホメオパシー」がいいと主張するcosiさん。
でも、その服用は、風邪だとか不定期愁訴だとか詳細不明で軽微な精神疾患に限る、ということですね。

私も風邪なんか何もしなくっても治ると思いますが(当然、安静と休養は必要でしょうけど。)、ならなんでそこにホメオパシーなのかがわかりませんね。
風邪薬も対症療法としては、全く無駄だとも思えないし、プラセボ効果だけを期待するなら何でもいいので。

ホメオパシーもアーユルヴェーダ(←コレは詳しくは知りませんが、インド古来のもん。)も、300年以上の歴史がありますが、その当時のヨーロッパやインドより現代の日本の方が遥かに寿命は長いですよね。
正統医療が始まったのは、ほんの150年前程度でしょう。
これは、ホメオパシーがダメだった直接の証拠ではありませんが、正統医療が間違った方向へは進んでいないという証左ではないですか。

今の医療に「心」を感じないというのであれば、安直な代替医療に逃げるんじゃなくって、今の医療体制を改善しないとダメでしょう。
それこそ未来に禍根を残すだけじゃないですか。
それとも表面上の心地よさを重視して、代替医療を支持しますか。

by トンデモブラウ (2010-03-12 11:14) 

トンデモブラウ

【naokoさん】

「ニセ科学」を全く解っていないなぁ。
科学風味のオカルトですよ、「ニセ科学」。
で、「科学」って、非科学的な宗教理論を攻撃する武器じゃないだってば。

>おそろしく非科学的な説明じゃないですか。

非科学的なスピリチュアルを信じている人の言葉とは思えませんね。
そういう非科学的な説明を信じている人がいっぱいいるから、ホメオパシーが生き残っているんでしょうが。

「宗教」で攻撃すれば、なんて簡単に言いますが、本当にできると思いますか?
そんな全方位的に対象を広げて有効な攻撃がインチキ側に届くわけがない。
「科学」という狭くてはっきりした土俵ででも難しいのに。

で、それってnaokoさんの言われた「他人の信仰に対してとやかく言うべきじゃない」って立場と矛盾しないの?
by トンデモブラウ (2010-03-12 11:25) 

cosi

【トンデモブラウさん】
>今の医療に「心」を感じないというのであれば、安直な代替医療に逃げるんじゃなくって、今の医療体制を改善しないとダメでしょう。
>それとも表面上の心地よさを重視して、代替医療を支持しますか。

私は「今の医療がまずいから、代替医療に逃げましょう」とは言ってません。

トンデモブラウさんは、正統医療か代替医療かの、二者択一の話に、もっていく傾向がありますね。
私はそういう話をしているのではないのです。

病院にかかるほどでない軽度の不調、または治療法のない状況の話をしています。
そういう場合に、代替医療を利用する人、勧める人が、「いてもかまわないじゃないか」という主張です。

極端なことを言えば、通常医療は今のままでいいんです。
それで足りない部分(軽い不調とか、治療法のないもの)に対して、それぞれが、好きな方法を取る自由は「あり」ではないでしょうか?

もちろん通常医療の変革も必要でしょうが、それはすぐに実現できるものでは、ないでしょう。
ご存知とは思いますが、変革というのは常に困難です。
特に今のような財政難の状況においては。

通常医療で足りない部分において、「何もしない」もありだし、「副作用の強い市販薬を飲む」もありだし。(私は個人的には市販薬には反対だし、知り合いにも勧めないけど)

選択の一つとして、好きな人は、ホメオパシーやバッチフラワー、アロマなどを取り入れていくんだろうし、勧めていくんだろうし。
なにも、トンデモブラウさんなどの、代替医療系に抵抗のある人まで、ホメオパシーなどを取り入れてください、とは言っていないのです。
ただ、好きな人が自費でやるのは、自由じゃないかと言う意見です。
医療拒否など、極端なことにならない限り、どれもOKでしょう。

>私も風邪なんか何もしなくっても治ると思いますが(当然、安静と休養は必要でしょうけど。)、ならなんでそこにホメオパシーなのかがわかりませんね。

だから、そこは生理的な好みの問題じゃないかと。
または、トンデモブラウさんと、思考形態の違う人種が存在するということでは?
by cosi (2010-03-12 13:54) 

naoko

【トンデモブラウさん】
非科学的といったのは、もともと科学の土俵で語ってないということ。
「神は在る」という信仰に対して、「神の存在は科学的に証明されてない」とか「その言説は非科学的だ」と語るのはよいけど、『だから「神は存在する」と語るのはインチキだ』と信仰者を攻撃しちゃいかんでしょ、と言っている。

非科学的=信じるに値しないこと、と考える人(合理主義者)は、
非科学的=それと信じる信じないは別の話、と考える人(信仰者)の思考を
非科学的=考慮に値しない考え、と思う。
そして、そのように考える人は、合理的・科学的な思考が身についていないから、そのように考えるのだろうと推測する。

ま、それがトンデモブラウさんの思考形態かな(笑)。

しかし、わたしとしても別に合理的・科学的に思考しないわけじゃないんだが、同時に懐疑主義は、あまり人の心と身体によくないことも知っている。

信仰・信頼をベースに考えたほうが、すとんと腑に落ちることもあるんだよね。

やはり、生理的な好みの問題かもね。
by naoko (2010-03-13 00:08) 

naoko

つまり、「先祖のたたり」「宇宙のフリーエネルギー」があると思っている人は、もちろん実証科学的には考えていない。
それ自体、科学を装ってもいない。
だから、ニセ科学でもない。
それは信仰でしょ。

わたしはトンデモブラウさんの持ち出した例に対して言っている。

ニセ科学とオカルトと信仰の垣根はとっても低いし、それらを批判するなら、「科学的じゃない」と言うにとどめたら、と再三言っている。
さもなきゃ、信仰者の大多数と争うことになるのは自明の理だ。

問題は、信仰者の思考形態を、自分の思考形態とは違うが、対等の価値を持つもうひとつの思考形態であると、率直に認められるかどうか、だと思う。これも、実は当人の〝からだ〟のもつ理解能力の問題だね。

結局、その能力がない人が、ニセ科学批判をしているから、「科学教」信者と批判されているんだよね。
by naoko (2010-03-13 00:28) 

(た)

cosiさん、

Judgementさんに注意されましたし、cosi さんを質問地獄に落としこんでるようで申し訳なく思っていたところでもあったので、何でそのような質問をしたのかなどを書きながらいくつか。

ホメオパシー。
私はホメオパシーにはいや〜な感じを抱いてます。ところが、cosi さんを話を聞いてると cosi さんは上手く代替医療に接してるように私には感じられました。なので、特にホメオパシーに関してですが、私と cosi さんの受け止め方の違いがどこでできたんだろう、というのが不思議に思えてきたのでした。

まぁ、私のものの見方にはバイアスが大いに入り込んでるのは間違いないです。それに加えてホメオパシーは私にとっては新規参入組なので距離感を上手く取れてないというのも自覚してます。例えばオーストラリアの例で cosi さんは極端な例であると述べられましたよね。それはそうかなぁ、という気もするのですが、一方でそれを判断できるほどの感覚を私は持ってないです。例えばこれが漢方医がしたことだったら、極端な例だよね、と言えるところなのですが。

そのあたりの感覚の擦り合わせというか、cosi さんの持ってる感覚をもう少しわかりたいなぁ、できれば自分の感覚も育てたいなぁ、と思っての質問でした。

私はホメオパシーは野心的な試みだと捉えてます。その適用範囲を軽い病気に限るわけではなく、重度の病気まで視野に入れてるという意味で、ですね。それゆえホメオパスによっては結構強い主張をしてるようです。

もちろん、ホメオパス達がどう考えてるかなどは利用者にとってはある意味どうでも良い話ではあり、利点を上手く利用する、あるいは利用しなければよいだけのことですよね。例えば今のところホメオパシーに利点を感じてない私は使わなければいいだけのことですし。そして cosi さんは代替医療「も」上手く使えば良いとの考え方であると私は受けとってます。

ところがホメオパシーには「正統医療」とは両立できないところがある、と主張してるホメオパスもいるようです。まぁ、それだけでも私にとってはどっちの道を選ぼうがご自由にどうぞ、なのですが、もっともっと極端なことを言い出すホメオパスもいるようなんです。そこまで来ると関係ないハズの私にまで影響が出てきそうな勢い。このあたりについては Judgement さんに怒られない限りまた後日書き込みます (匂わすだけはアレですし)。でも長くなって疲れてきたので、また後日。もし良ければ読んでください。
by (た) (2010-03-14 12:49) 

(た)

cosi さん、お返事頂いたことについて。

>「正統なホメオパシー」がどのようなものか、私はあまり理解
> できていません。

すいません、私も理解できてません・・・。
あー、とても申し訳ない書き方をしました。私の受け止めたホメオパシーとは違うようですね、と書くべきでしたね。ホメオパシーと一言で言ってもハーネマンの頃のものから、一度廃れかけたのに 70 年代を境に復活を遂げたホメオパシー、また日本にもいくつかホメオパシー団体があるようで、どれが正統なのか、そもそもそれらに違いがあるのかなんて外から見てる僕にも良くわかりません。きっとそんなに変わらないよね、という気持ちで「正統」と書いてしまいました。cosi さんが理解してるホメオパシーが正統なのかも知れません。

> もし、必要なときに、医療を受けさせないようにしていると
> すれば、それは、批判されるべきでしょう。

ですよね。まぁ、身体的な拘束なんてことはさすがに聞いたことないですが、ホメオパシーの教えに忠実に従うと、必要な時に医療を受けさせる機会を奪うことになるんじゃないの、なんて感じました。それについては次回書きます。

> (トンデモブラウさんの嫌いな)ロハス系の人達なんかは、雑誌
> の特集とかで、食生活にも気をつけながら、ヨガやピラティス
> など運動もしながら、「ちょっとした不調には、市販薬じゃなく
> て、レメディやバッチフラワーやアロマやハーブです」とか
> 言っているので、そういうものは、問題がないのではない
> でしょうか?

はい、そういうのは私も問題ないと思ってます。少なくとも私が口を出すことではないですよね。ところでハーブって日本で売ってるごく普通のハーブのことですよね (当たり前ですね)。いや、ハーブってものによってはまんま薬ですから。ロハスは良く知りません。嫁に連れられてロハスフェスタ (正式名称は忘れた) には行ったことはあります。あの時食べたバジルソースのフィッシュバーガーは美味しかったナ。四つ食べた。中々良い感じの会場でした。

私が気にしてたのは

> 安易にレメディに依存している人たちもいるでしょうから、
> それは良くないでしょう。生活を見直さないと意味ないよと、
> 啓発する必要性はあると思います。

こっちのほうでした。市販されてるレメディは無害ですよね。その意味では心配ないんだけど、市販の薬の使用を単にレメディの使用に取り替えただけじゃ、(副作用についてはともかく)大して意味があるとも思えないので。補足と指摘どうもありがとうございます。
by (た) (2010-03-14 12:53) 

トンデモブラウ

インチキしてでも金儲けしたい人がいなくならないのは、騙される人がいるからなんだと思う。
これは、需要と供給の話じゃなくって、卵が先かニワトリが先かって話。

インチキに頼りたい人は、楽をしたい面倒臭がりなんだな。
世の中楽だけして渡っていけるほど平坦な道じゃないことぐらいは、誰でも体験しているし知っている。
でも、できれば苦労は少ない方がいいので、楽な道を選択したい。
これは人間に限った事じゃなくって、水でも電気でも同じ、抵抗の少ない方を流れて行く。

でもって、人間には侮れない想像力ってのが備わっている。
この想像力を、楽な道を作る、ってことに使っちゃってるんだなぁ。
曰く、「強く願えば叶う」。
叶わねぇって、願っただけじゃ。

NHK教育とかで、10代の若者たちが「夢をあきらめるな」的な話をよくしてましたが、それも一緒だな。
自分の目指したことをやり遂げるというのは、そこそこストレスを受ける道であろうし、あきらめなければ到達できる可能性もゼロではない。
でも客観的な現実把握はできてるでしょ、普通。
そこで「いや時代が・・・」とか「世間が認めてくれれば・・・」なんてのは、甘えだよ。
「非現実的な夢を追う」というかっくいい姿を重ねて浸っているだけの、ドンキホーテだね。
誇大妄想的実現不能な夢(例えば、世界的に大ヒットしたミュージシャンとか)>>>実現可能な夢(例えば、幸せな家庭を作ってマイホームとか)、と考えるのは小学生ぐらいまでにしとかないとね。

誰も「夢を追うな」とか言ってないですよ。
願っただけじゃ実現しないって言ってるだけで。
才能やそれを生かせる機会なんてのは、みんな平等じゃないしね。
John Lennonも歌ってるでしょう、『War is over if you wish it.』って。
”私”が願っててもだめなんだよ。
行動を起こさないと。
じゃないと”あなた”は願ってくれないでしょ。

行きたいところがあるけど、交通事故が怖い。
交通事故に遭わないように、家にこもって行った気持ちになろう。
強く思っていたら、向こうから来てくれるかもしれないなぁ。
よ~し、いいぞ、願うだけにしとこっと。
・・・実現しないよね。

【閑話休題】
by トンデモブラウ (2010-03-14 22:53) 

トンデモブラウ

【cosiさん】

>正統医療か代替医療かの、二者択一の話

あぁこれは、私が代替医療は医療じゃないって思っているからかな。
病気を治療するのが医療だと思っているので。
だから、病気を治療するには正統医療しかないと思っているだけです。
だって有効な代替医療なんて知らないし。

私が『ロハス』を嫌いなのは、スピリテュアルなテイストが胡散臭いという好みの問題と、金持ちのお遊び的な印象が鼻に付くからですね。
だって、その日生きるのがカツカツな人生だとしたら、『ロハス』なんて生ぬるいこと言ってる暇ないでしょ。
食べれる雑草(ハーブとか呼びますね)で飢えを凌いでいる人がいる脇で、「フォアグラのソテーは食べ飽きたし、どうやら脂肪過多でよくなさげだね、それにくらべてこのハーブの健康そうなこと・・・おぉこういうのもたまにはいいんじゃない。」的な感じ。(←個人的主観のみのイメージです。)
先進国にのうのうと住んでいる人も、短い生涯を『ロハス』で言うところのスローライフで暮らしている社会もあるって想像しないとね。
それを承知で『ロハス』を貫くというのはあっぱれではあるけど、別に尊敬しないなぁ。
by トンデモブラウ (2010-03-14 23:07) 

cosi

【(た)さん】
質問が多いとは思ってましたが、質問地獄とまでは思ってませんでしたので、ご心配なく。Judgementさんの<対話>への姿勢により、ホメオパシーの賛成派と反対派の対話という、稀有なことが実現していると思っています。

【トンデモブラウさん】
>だから、病気を治療するには正統医療しかないと思っているだけです。
>だって有効な代替医療なんて知らないし。

『代替医療ガイドブック』の前書きの文章の抜粋で、正統医療と代替医療の関係を、説明させてもらいます。(今までの私の主張とも重なりますが)
*引用開始*
代替療法、補完療法は、もっぱら健康と幸福を維持するため、あるいは、手当てしなくても一週間ほどで治ってしまうような軽い病気の治療のために用いられる。補完療法には、ほとんどとはいわないまでもその多くにストレスを緩和する強い力がある。ストレスが軽くなれば、病気の予防にもなり、かかったとしても長引いたり重くなったりしないですむ。主流医学以外の治療を受けている人々の大半は、本当に具合が悪くなると、主流医学の治療も同時に受ける。
*引用終了*

『ロハス』についてですが、実は、私は『ロハス』を、話を簡単にするために、なんとなくのイメージで使ってしまっていました。
Wikiであらためて読んでみたところ、マーケティング用語、マーケティングコンセプトなんですね。知りませんでした。

アメリカの調査機関NMIが、LOHAS層を「環境と健康に関心、社会に対する問題意識、自己啓発・精神性の向上に関心が高く、実際の行動に移す人々」と定義しているそうです。

2005年の調査によると日本の成人人口の29%がLOHAS層だという(他、LOHAS層に近いが行動に至らない NOMADICS:27%、価値観を特に持たないCENTRISTS:28%、日々の生活に追われるINDIFFERENTS:16%)。

トンデモブラウさんの表現を借りるなら、
「金持ちのお遊び」がLOHAS層で、「その日生きるのがカツカツ」がINDIFFERENTS層というわけですね。

確かに経済的に余裕がないと、消費の際、選択の自由はないですよね。
でもLOHAS層が、みな金持ち、というわけじゃないでしょうし。
LOHAS層というのは、願っているだけでなく、行動しているわけだし(笑)。
いいんじゃない?というのが私の感想です。
by cosi (2010-03-15 16:26) 

トンデモブラウ

【cosiさん】

>いいんじゃない?

いい・・・
つまり、何でもあり?
いいっていうのは、普通行動が正しい場合ですけどね。

なるほど、代替医療推進派だけのことはありますね。
いいとこ取りだけで生活したいタイプでしょうか、悪いことには目を瞑って見えないことにする。
『Rescue Animal』のステッカーを付けた自動車で焼肉屋から出てくる若者並みの想像力だなぁ。

幸せな生き方かもしれませんが、社会は厳しいし、その生き方で社会はよくはならないですけどね。
騙そうとする人には天国だよなぁ。
住民が喜んで騙されてくれるんだから。
by トンデモブラウ (2010-03-15 22:28) 

Judgement

★★ 注意報 ★★

いや、そりゃないわ。
本論に言及したついでに枝葉もいじる、ならまだいいけど
言葉尻だけ取り上げて「脳内世界観」につなげて見下してみせるというのは
褒められたやり方ではない。
by Judgement (2010-03-15 23:18) 

naoko

【Judgementさん】
トンデモブラウさんには、「1+1=3」とcosiさんが書いているように見えているのだと思う。それも、何度訂正してもそう書いてくる、と。
しかし、実際にはcosiさんは算数の計算で出した正しい答えを、いつでも世の中に杓子定規に応用していいわけじゃない、と言いたいのだと思う。時には1+1=3でもいいのだ、と。
そんなあやふやなことを許したら、みんな算数出来なくなって世の中めちゃくちゃになる、とトンデモブラウさんは思っている。つまり、でたらめは良くない、と。
いい加減でお気楽な生き方だけど、そんなんで世の中渡っていけますかね、と。
つまり、cosiさんが世間知らずに見えてしまうので、ついつい見下した言い方になってしまう。
ところが、cosiさんにしたら、いい加減でもお気楽でもなく、現実の世の中を生きている自分が味わってきたことから、深く真剣に考えて、「1+1=3でもよし!」と言っているんだけど、それに対して、「そのような〝自分の思い〟だけで、物事を判断するのは、全体としてみれば社会を良くする生き方ではない」、とトンデモブラウさんは主張している(←と、わたしには読めた)。

【トンデモブラウさん・cosiさん】
ところでわたしは、それぞれの個人が〝現実を生きている主体的・主観的な自分の思いを大切に〟して物事の判断を下しながら生きていくことは、全体として世の中が良くなっていくための基本だと思っている。
それが自然に出来てこそ、〝他者の思いを大切に〟することも出来てくる。
たとえば、親が、わが子の〝心の中の思い〟を慈しみ包むことで、子どもの心に、深い自己肯定感が育ってくる。
ところが、親からそうした心の庇護を受けてこなかった子は、どうもその点、自分の思い・想いに自信が持てなくなるようです。
その子がやがて親になり、内面の〝不安感〟が連鎖・増幅されていく。
〝ひとりよがり〟も〝他者への攻撃性〟も、そうした内面の不安感の表れです。

実は、この自己の〝思い・想い〟への自信の欠如が、排他的「~教徒」の心の問題点でもあります。時には科学に、時には信仰に、彼らは自分の判断を〝絶対的に〟預けてしまう。そういう判断って、いつでもとっても他律的なんだよね。

わたしから見ると、トンデモブラウさんの判断もそのような他律的な判断のひとつに見えます。
by naoko (2010-03-16 03:20) 

MAA

[特権を持つjudgementさん]

>>その立場の人は、「対話」重視の社会などを肯定すべきではないと思う。
>それは何故ですか?

「対話」重視の社会とは、すべての人が自分の立場を絶対化することなく、だからこそ必死でそれを説明し、他人を動かそうとする社会だからです。
それは信仰でも何でも例外ではない。例外だというのならば、
その人はその時に信仰の共感的共同体を絶対化しているからです。
(「とやかく言うべきではない」が「非対話的」だとマジに説明を
求められるとは思わなかったな。)

>> とやかく言ってはいけないという倫理的根拠は何なのですか?

>こういう問いをするならば、まずMAAさんから
>・ とやかく言っていいのか
>・ その倫理的根拠は
>・ そもそも倫理の問題か
>を説明して欲しいよぉ。

(1)そもそも倫理的問題か?
倫理とは「べきではない」「べきだ」をも扱う学問だから
「べきではない」と一般的に言うためには倫理的根拠が
必要です。何らかの法的規範を共有ないし共感
して、それを前提に演繹する場合を除いては。で、宗教
的信念に対して市民が突っ込みを入れてはいけないと
いう共有された法的規範はないのでそれは倫理的命題
です。

「とやかく言うべきではない」とする倫理的根拠はある
と思いますよ。私の主張は、その肯定は対話的社会
と矛盾するという点にあるので。naokoさんが認識論的
相対主義かつ分離主義の立場をとられる
のならば(このスレッドではそういう感じですね)、
「とやかく言うべきではない」は十分成り立つと考えます。
認識論的相対主義とは、各伝統は独自の真理基準をもって
いて、それらは共約不可能だ(互いに話が通じない)という
考え方、分離主義は、だからそれぞれの伝統は他の伝統
およびそのメンバーから口出しをされることなく独自の共同体
を作る権利があるという考え方のことを指しています。


(2)とやかく言って良いのか?
良いですよ。

(3)その倫理的根拠は
「とやかく言って良い」倫理的根拠は対話的共同体の
肯定にあります。というか民主的社会で法の範囲内で
自己の発言の行為それ自体を正当化する必要がある
のは限られた場だと思うのですけれど、ここがその
限られた場ではないと判断していたからです。

>>naokoさんの議論では「いんちき」など存在しなくなるとか、
>>いろいろ突っ込みどころはあるけれども

>そういうのは、突っ込んでから言うこと。
>そぶりだけで水増ししないで。

いんちきは大抵の場合それを信じる人がいないと成り立ちません。つまり、トップAはいんちきでも、末端Nは「信仰」しているわけです。
そのNがx、y、zにいんちき(例えば霊感商法の壺)を勧める
とき、naokoさんの立場からはそれは信仰の問題になるので
いんちきではなくなります。そして「とやかく口だしすべきでは
ない」ことになります。私には、私たち市民がこうした行為に
対し「とやかく口出しすべきではない」とは思われませんし、
そこで黙らねばならない社会が「対話的」とは思えません。

ただし、「いんちきなど存在しない」は言いすぎでしたね。
直接的な詐欺でないいんちきなど存在しない、と訂正すべき
でした。

by MAA (2010-03-16 11:49) 

naoko

【MAAさん】
話がまるでちがう…。
ここまでの対話の流れをMAAさんが理解してないのか、それともわざと無視しているのか、よくわかりませんが。

まず、わたしは信仰の共同体をまったく絶対化していない。
(それは、次の宗教エントリーでも少しコメントしましたが、むしろさまざまな問題を内包していると思う。最大の問題は、排他的「~教」の絶対化であり、相手にそれはおかしいと気づかせることが、まず大事だと言っている。)
さらに、それをする上で「他人の信仰をインチキと非難すべきでない」というのは、倫理的問題と言うよりむしろ、第一にコミュニケーションの方法論としてまずいと言っている。
(単に信仰者を憤慨させるか、傷つけるか、侮辱する結果にしかならないし、さらに、それをわかっててやるとしたら、倫理的にもどうか?と言っているだけ)
相手の信仰共同体に問題があれば、相手の信仰していることそのものについては非難せず、それこそ、「自分はこういう点はどうかと思うが。」と個々の問題について問いかけるべきでしょう。その方が相手はまだ理解したり受け入れたりできるから。
その時、「自分自身の信仰に照らし合わせて、あなたの信仰のこの面が納得がいかない」という言い方をしたほうが、方法としてははるかに成果が上がるよ。互いの信仰をベースにした議論と言うのは、倫理を主題とした対話になるけど、信仰と倫理は個人の内面で深く結びついているから、そのほうが相手の内面に訴えかけることが可能です。

わたしはひとつも倫理的相対主義とか分離主義とかとってないんだけど、そうとしか受け取れないとしたら、MAAさんの読解力に疑問を感じるぞ(笑)。

ただ、無神論者が信仰者と対話するとなると、対話はより難しくなる。
なぜなら、無神論者の多くは信仰そのものに敬意を払えないから。
無神論者にとっては、すべての信仰が、〝インチキ〟になってしまう。
その場合は、いかにしても対話はなかなか成り立たない。
トンデモブラウさんのキリスト教はほぼ無神論に近い。
(ま、日本キリスト教教団の立場に近いかな。だから、同じプロテスタントでもペンテコステやアドベンチストなんかとは激しく対立する。)
だから、ほとんど無神論「聖書はインチキだ!」vs有神論「わたしは聖書を信じる」の対立となり、不毛なので、そうした衝突は回避した方がいい。
それは、何もキリスト教教義に対してのみ言えるのではなく、全ての信仰に対して回避すべきだと言っている。
あるいは、全ての信仰を敵に回すか、二つにひとつだ。
ダブスタは自己矛盾。

MAAさん、そういう話なんだよ。
by naoko (2010-03-16 13:22) 

cosi

naokoさんの
>それぞれの個人が〝現実を生きている主体的・主観的な自分の思いを大切に〟して物事の判断を下しながら生きていくことは、全体として世の中が良くなっていくための基本
という考えに、私も同感です。

副作用問題でも、引っかかるのが、このあたりです。
統計的な数字を出してきて、リスクベネフィットの話をされることが多いです。
でも私は、実際に副作用の被害に遭い、人が被害に遭ったのをみてしまっています。
すると、圧倒的な体験の影響の前に、そのような数字の話は入ってこないのです。
机上の空論的な話にしか、受け取れないのです。

(Judgementさんの好きな言葉)「言葉はいつも思いに足りない」くらいなので、数字にすればもっと、ボロボロ抜け落ちてしまうものが、あるのではないでしょうか。

だからと言って、数字や統計が無意味と考えているわけではありません。
薬の有効性も、無効性も副作用も、統計で証明していくのが、一番わかり易いのですから。
ただその際、個人個人の主観を、もっと反映してもいいと思います。
でも実際は、製薬会社に都合のいいように、有効性や副作用のエビデンスは捏造できるのです。
個々の副作用の訴えも、かき消される事もあります。
抗うつ薬の件でも明らかなように。
だからと言ってもちろん、全ての薬においてそうだ、というわけではないでしょうが。

このようなことから、私には、「直接の副作用がない」ということだけでも、ホメオパシーが光り輝いて見えるのです。
そして、そういう人間がいることを、知ってもらおうとしているのです。
1+1=3のような考えに、受け取られるのは仕方ないことです。

油断すると、すぐにひとりよがりになってしまうので、反論されるのは私にとって、とても意義のあることです。それぞれの反論に差があるのも、興味深いです。
by cosi (2010-03-16 15:56) 

トンデモブラウ

イエロー・カードを出されてしまった・・・

でもこれも客観的な見え方の一つですよね。
同じ違憲の集合体内だけでは見えないものも、第三者的には見えていたりすることもあるし、
その見え方が一般的ではないかもしれないけど、第三者にこう見える場合もある、というのは危険予知としてはアリな警鐘かもしれないですよ。
Judgementさんがニセ科学批判に投じた一石と同じ、役に立ちたいというのがモチベーション・・・でもないけどそんな感じ。
ロハスなんて輩は、現代の科学的な恩恵にどっぷり浸かりながら、その科学的恩恵に唾を吐きかけてるようにしか見えないので。
私は電気もない無人島に小屋とか建てて住んでいる人に文句言ったりはしないですよ。(ロハスにいるとすればですけど。)

【cosiさん】

>『ただその際、個人個人の主観を、もっと反映してもいいと思います。
でも実際は、製薬会社に都合のいいように、有効性や副作用のエビデンスは捏造できるのです。』

矛盾してますよ。
個人の主観を反映するから捏造があるんです。
ホメオパシーのバンヴニスト博士の研究なんかそのいい例ですね。
製薬会社”だけ”にそういうバイアスがかかると思うのは、なぜですか?

医療は科学的根拠に基づく臨床データの集合なので、何度も言いますけど経験則なんですよ。
いままだ治療法が決まっていない風邪や不定愁訴でも、将来解決しないわけはないかもしれませんよね。
でもそのためには臨床データが必要なんです。
貴重なデータ・サンプルを代替医療で無駄にするのは、未来の人類のためにならないんですよ。
代替医療ってのはその性質上、臨床データは残せないからね。

くどいようですが、「副作用はいやだけど、治りたい」なんていうのは、ただの甘えです。
治る可能性があって、かつ未来に希望を与えるためのモルモットになら、なってもいいような気がしますけど。
by トンデモブラウ (2010-03-16 16:33) 

cosi

【トンデモブラウさん】
>ホメオパシーのバンヴニスト博士の研究なんかそのいい例ですね。
>製薬会社”だけ”にそういうバイアスがかかると思うのは、なぜですか?

だから、ホメオパシーの研究に捏造があったとしても、どのみち直接の副作用がないから、許容できるのです。
製薬会社の捏造では、副作用が出た場合、取り返しがつかないから、許容できないのです。

逆に、科学教の信者は、製薬会社の捏造は見ないようにして、代替医療系には厳しく臨む傾向があるようですが、それはなぜですか?

>医療は科学的根拠に基づく臨床データの集合なので、何度も言いますけど経験則なんですよ。
>代替医療ってのはその性質上、臨床データは残せないから

アーユルヴェーダや漢方などは、長い歴史があるので、膨大な臨床データや経験則の積み重ねで成り立っているのでは?いわゆる、『科学』の言葉で語れないだけで。
ホメオパシーは200年だから、それらよりは、歴史が浅いけれど、それなりの経験則の積み重ねはあるようです。ハーネマンは近代科学以前の人なので、やはり『科学』の言葉で語れない要素が満載です。
だからといって、全く価値がないとは、私は思えない。
そこらへんになると、個人の好みの問題になるんだろうけれど。

「副作用はいやだけど、治りたい」なんて言ってませんよ。
「治らなくてもいいから、病気自体で苦しむのはかまわないから、薬の副作用だけはいやだ」の方が近いかな。
何もしなくても自然に治っただろうに、薬の副作用で長期間苦しむ羽目になったので、「余計なことをしなければ良かった」と思っているのです。
by cosi (2010-03-16 18:22) 

トンデモブラウ

【cosiさん】

ホメオパシーの捏造は、「効果がある」というものですね。
これも立派な詐欺です。
「治る」と思わされている人が殆どなんですよ。
「治らないけどいいや」という人は、初めてなのでビックリしました。

製薬会社の捏造は、バレて糾弾されてるでしょ。
それが科学的根拠に基づく臨床データの寄せ集めの強みです。
要するに、「ダメだった」「効果なかった」「効果があるけど副作用の方が大きかった」・・・なんていうデータも残ってるわけですよ。
製薬会社の捏造は見ないようにしてるなんてのは、そこに利権のあるほんの一握りじゃないの。

代替医療に甘い目を向ける理由の方が理解不能ですけど。
cosiさんの活用法なら、おまじないでいいじゃん。
それこそ宗教の出番じゃないかな。
by トンデモブラウ (2010-03-16 19:41) 

Judgement

【トンデモブラウさん】

>イエロー・カードを出されてしまった・・・

トンデモブラウさんだからイエロー・カードで済んだと思ってくれい。
てか、ある意味MORIXさんの思いが教訓になっていて
後でまとめてドッと文句言われる方が嫌なのだろうなぁと思い
ヤバイなぁ、と思った時点で軽く注意を入れようと思うようになったのよ。
まぁ、私としても「ヤジの飛ばしあい」に場所を提供するつもりもないし
ここは「恨み言や嫌味のひとりごと」を言う場所にもしたくないしね。

で、最後のコメントにちょっとチェックを入れておくね。

《つっこみその1》
>ホメオパシーの捏造は、「効果がある」というものですね。
この「効果がある」をどういう意味で使っているか、キッチリ示しておきません?

私の予知能力では、そのうちcosiさんとのやり取りが煮詰まった頃に
「それは、私が思っている効果とは違います」って言い出しちゃいそうだから。

例を幾つか挙げる。
1.何もしないよりは症状が改善する事が効果
2.二重盲検法により「偽薬」との有意差が出たものだけが効果
3.とにかく正統医療の医者が認めたものだけが効果
どうせ、「どれも違う」と言うんだろうケド、文句垂れる前にとっとと自分からお言い!

あと、ついでにcosiさんとの対話のちゃぶ台返しの言い訳で使った
「治療」の定義もぜひ聞きたいゾ。


《つっこみその2》
 あと、ずっと気になっているんですが、トンデモブラウさんが想定している「ホメオパシーが喧伝する効果」って何なんでしょう(まさか「どんな病も100%治癒する」ではないよね...)。

 cosiさんが紹介したホメオパシージャパンでは「自然治癒力を取り戻す」、日本ホメオパシー振興会でも「自然治癒力を高める」といった表現をしています。また、私が「ホメオパシー」という代替医療を知るきっかけになったテレンス・ハインズ氏の「超科学をきる」では、効能は「自然抵抗力が増す」と述べていました。

 このような私の認識の上では、「ホメオパシー理論」は全くのトンデモであっても、「レメディを使う効果」そのものには、喧伝する程度の効果は”結果として”生じそうな気がします(科学的な理由付けも可能)。 ただ、だからといって自分に使う気が無いし(私にはその効果は生じない)、人に勧める気もしないけどね(その効果が生じるかは不確実)。
 
 一方、なんとなくなんだけど、トンデモブラウさんは、ホメオパシーが実際に何を言っているかよりも、ニセ科学批判者のネガティブキャンペーンに引き摺られ、なんか「とんでもなく不当な効能をうたっている」という印象だけで語ってはいないかなぁ、と思ったりもしたりするんですね。
 まぁ、杞憂ならそれでいいんだけどさ。
 それに、私もホメオパシーに精通しているわけでは無いから、中には急進的な一派もいるのかもしれん...。
 
《つっこみその3》
 あと、何でもすぐ「インチキ」=「詐欺」だけど、「詐欺」には騙そうとする意図が必要よ。
 トンデモブラウさんがレメディを売ったら詐欺だけど
 ホメオパシーを信じている人がレメディを売り、信じている人が買うのを「詐欺」呼ばわりはどうか。
 てか、その短絡的な論法でいけば、
 マジシャンであった私も「詐欺呼ばわり」されている感じで、気分悪い。
 (前も同じような文句を言ったら、ゴタゴタ言い訳して結局循環論法に陥った人がいたナ)

 え、マジシャン抜きでもお前は詐欺師だって!?


 正解!
by Judgement (2010-03-17 01:01) 

Judgement

【MAAさん】

>[特権を持つjudgementさん]

 まぁ、特権を持っていると言うより「創造主」だからね、ココの。
 特権と言うよりも、それが私の権限だ!違うか?文句あっか?
 なーんてね。
 
 とはいえ理不尽に権限振り回しているつもりは無いわよ。
 MAAさんもちゃんと言った事で、naokoさんもきっちり反応できたわけだし。
 
 いや、なんだかんだ茶々入れているけど、このやり取りは非常に興味深く読んでいるんだな。
 ここまで話が進むと、全体像が掴み難いから、わざわざプリントアウトして読んだりしている。
 それぐらい"先が楽しみ”なのだ。
 MAAさんはまたトンデモブラウさんとは違う立ち位置にいらっしゃるようだし、そういう意味では今後もやりとりに割り入って欲しい(これは個人的願望で、義務じゃないよ)。

 でさ、他のトコとか見ていると、誰かが「否定だけの否定」をすると、発言のハードルが下がったと勘違いするのかワラワラとそれに追従して「文句だけを言う人」や「文句を言った人を弁護する人」が現れ、途端に「単なる貶めあい」になっちゃったりするんだよね・
 ここはそうはなって欲しくないんだな。

 あと、これは命令ではなくて、願望なんだけど
 ここでやってるのは、「大学のゼミでやるような賢さのくらべっこ」じゃなくて、どんな人か知らない相手との「対話」なんだから、分かりやすい言葉で説明したらどうだろう。
 いや、他のところでは、そういう「教養を匂わせる言葉」をさらっと使う事の方が歓迎されたりする雰囲気もあったりするけど、私には何か薄ら寒く感じるだけなので、ここではできれば控えてほすぃ。

 少なくとも私は「使う単語の崇高さ」で内容を評価しないので、肩肘張らずに。
 むしろ、平易な言葉を使おうとする、あるいは説明を十分する、といった方が 「ああ、この人は本当に伝えたい事があるのだな」と思えるんだな。

 別にMAAさん限定ってわけではなくて、他の皆さんもよろしく。
 私はそんな頭がいい方ではないのよね。
 「コスト・ベネフィット」レベルでも、ええとナンダッケ、って躓いちゃう感じだし。
 てか、カタカナ英語は、それだけでなんか胡散臭くてねぇ。
 
 おまけに、私の自論。
 難しい言葉を使うのは、単なるハッタリでしかない。
 本当に難しい事を理解している人は、それを平易な言葉で説明できる。
 でも実は理解していない人は、難しい言葉をそのまま使う事しかできない。

 よ・ろ・し・く・ねっ!
by Judgement (2010-03-17 01:01) 

Judgement

【みなさんへ】

 ここで念のため確認。
 ここで発言している皆さんは、誰も「ホメオパシー」を科学的な治療法と思っていませんよね。また、神秘的な効果があるとも思っていませんよね。
 少なくとも、自分自身が使うか、というとまず使わない、という人しかいないと思うのですが...(違ったらゴメン)。

 逆に言えば、ここにいる誰もが、自分自身ではホメオパシーを「おまじない」レベルのものと捉えているのではないかなと。
 
 その上で、自分にとっては「おまじない」で無意味だけど、それを信じる人にとってはどんな意味があるんだろう、と考えた上で
 「おまじない」でもそれがプラスの面があれば、というcosiさん
 「おまじない」を「効果がある」と信じる心に踏み込むべきではない、というnaokoさん

 だけど、トンデモブラウさんは「おまじない」で思考終わり、なんじゃないかな。
 あとは、「おまじない」に自分の価値観を投影して評価するだけ。
 「おまじない」だから詐欺、「おまじない」だから効きっこない。
 そして、「おまじないでいいじゃん。」
 もう、「おまじない」=自分の怒りの正当化の燃料 って感じだな。

 同じモノを、同じモノとして見ているようなのに、話が噛み合わないのは、そこから話を進めるか、そこで話を終わるかの違いが存在するからではないかなぁ。

 あと「おまじない」という表現自体に(低い)価値観が含められている気もするが、私にとっては、「おまじない」だろうと『暗示』とセットで力を与える事ができるものなんだよね。
 だとすれば、「おまじない」も使いようだよね、と思う。
 むしろ、ビリーバーより、安全に上手く実質的な効果を与えられる気がするぞ。
 まぁ、どんなに善い方向で使おうと、トンデモブラウさんには「インチキだから詐欺」と言われてしまうのだろうけどね。


 あと、ずっと気になっている事があって
 例えば「日本ホメオパシー医学協会」の説明を読んでも強く思ったんだけど
 「原液の物質は分子レベルで分析しても検出されなくなります。これを砂糖でくるみ、直径五㍉にも満たない玉を作ります。これがレメディーです。砂糖以外の物質は入っていません。」
 と言い切っちゃっているわけで、その上で
「こうして作られたレメディーそのものには、何の効力もありません。砂糖以外の物質は何もないのだから、物質作用的な力はないのです。ただ、パターンのようなものが残っているため、体内の症状に共鳴し、自己治癒力の活動を発動させるきっかけを与えることができるのです。」
 とのたまっています。

 それで、これを読んだ皆さんは「科学的だなぁ」と思いましたか?
 んで、専門家でもない私にすら荒唐無稽に見えるんだけど、これって普通程度の科学的知識を持つ「一般市民」には科学と区別がつかない代物なのだろうか?
 そう思えるなら、「一般市民」を侮りすぎじゃないだろうかとすら思えるわけ。
 (まぁ、例外的には科学的と信じる救いようの無いアホもいるだろうが)

 私としては、本当にホメオパシーを無くしたいと思うなら、「科学的だから信じる」とか「科学的だと信じさせようとしている」といくら言ってもズレて埒があかないと感じるんだけど、皆さんはどう思います?
 だって、「科学的じゃない、合理的じゃない」と声高に言っても、その声は科学と合理性で信じているわけではない人には届かないわけだからさ。

 それだったら、もっと「人間的な理由」に目を向けたほうが、説得も誘導も効果的にできるのではないでしょうか。

 てな事は別に「ニセ科学批判批判」のためではなく、マジで思っているんだよなぁ。
by Judgement (2010-03-17 02:00) 

naoko

>ここで念のため確認
ホメオパシーの効果は現代科学において否定されているらしい、ぐらいの認識ですね、わたしは。
科学的・合理的に考えて、理屈としては、どうもたいした効果は期待できそうもないなあ、とは思います。

それでも、神秘的なのかどうかはわからないけど、実際に何らかの効果があるのか、ないのか、その判断については個人的には〝保留〟しておきたいですね。はたして本当に〝自然治癒力を高める〟のかどうか、それに対する〝信仰の余地〟は残しておきたいといったところでしょうか。自分としては、それが物事に対する力みのない自然な姿勢なので。

趣味的に試してみてもいいな、とは思うのですが、後は家計経済的問題がからむなあ。
それぐらいなら、美味しい玄米食にお金かけたほうがましか、とか(笑)。
by naoko (2010-03-17 03:19) 

トンデモブラウ

この期に及んでもまだ誤解されとる・・・
「インチキだから詐欺」と言っているのではなくって、「インチキじゃないと言っているインチキだから詐欺」だと言っているんですよ。
映画や小説などのフィクションや手品は、『ホントウであること』を標榜してないでしょ。
なので、超能力とか言っている手品師は批判対象ですね。
で、その超能力者と偽っている手品師を超能力者と紹介する人も、詐欺の片棒を担いでいるとみなします。(善意でも。)
詐欺師が減らないのは、こういう善意の第三者がいるからだとも思ってます。

《つっこみその1》への返答
「効果がある」とは、「病気が治る(症状が改善される)、かつその科学的根拠に基づく臨床を経ていること(つまり、偽薬とか観測者のバイアスが排除された客観的データの存在など)」ことです。
「治療」とは、「病気を治す行為」のことです。

《つっこみその2》への返答
「ホメオパシーが喧伝する効果」ってのは、「どんな病も副作用なしで治癒する」というものじゃないんですか。
治癒しないと思ってたら、プラセボ効果もないし。
しかもホメオパシーの「同種の法則」は、本来万能でしょう。
病があれば薬もあることになるので。

《つっこみその3》への返答
あっと、最初に書いちゃった。

「おまじない」に付加価値を求める(というかそれが「おまじない」だな)のは、その「おまじない」を信じてなきゃダメでしょう。
その信じ方の度合いは、それぞれでしょうけど。
でもそこには物理的効果はないので、これは信仰の領域ですね。
科学的には、「気のせい」Q.E.D.

「ホメオパシー」について、
ホメオパシージャパンのwebみてみましょう。
おぉっと、いきなり『日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)由井寅子会長』
はい、ダウト!
おまじないに「医学」って。

くじけずちょっと「ホネオパシーとは」も見てみよう。
んんん、なかなか香ばしい文章で、オカルトなニセ科学用語満載です。
これは科学的知識っていうより、一般常識さえあればネタにしか見えない。
要約すると「ホメオパシーは自然治癒力を高めるレメディを服用することで健康になります」ということでしょうか。
「レメディで病気が治る」と直接書かないで「自然治癒力」なんて保険経由で語るなんてのは、流石に伝統ある詐欺集団だけのことはありますね。
でもそう思うのが普通の人じゃないかな。
でないとプラセボ効果もないし。

ホメオパシーには科学的根拠に基づいた臨床データなんて残ってないんですよね。
歴史はあるのに。
「残って」って書いたのは、実はナチスが調査した記録があったハズだから。
ヒットラーってのはかなりオカルト嗜好の強いオッサンだったので、いいことも悪いこともいっぱい記録に残してくれてます。
その辺はドイツ人の几帳面さですね。
で、国家的にホメオパシーの効果を調査したのは有名な話。(軍オタでオカルト超常現象研究会出身な私らだけななおか?)
ドイツ大好きナチスが、ドイツ人が発見した画期的医療(笑)を見逃すはずがないですよね。
ナチスドイツ保険省が1億ライヒマルクとも言われる巨額の予算を使って調査した結果、ホメオパシーの効果は確認できなかった”らしい”。
何故か記録が残ってないから、「らしい」ですけど、当然ナチス・ドイツはホメオパシーの効果を肯定したくて調査したので、そういうバイアスがかかっていてもおかしくない状況なのに、「効果あり」の宣伝はされなかったことからも結果は想像できますよね。
1億ライヒマルク(日本円で1億7千万円以上、国家予算の3%の戦艦大和に相当する!戦艦ビスマルクは2倍近い金額だけど・・・。)もかけて「効果なし」じゃ、担当者の首が危ないかも。
でも、流石に捏造して「効果あり」にしなかったのは、ドイツ人科学者(医者)の凄さでしょうね。

医療に「信じるのはあなた次第です」ってのは、ありえない。
都市伝説かよ。
by トンデモブラウ (2010-03-17 09:23) 

naoko

>超能力者と偽っている手品師を超能力者と紹介する人
はい、わたしです。
友人・知人に超能力者?(つまり霊媒師とか霊視能力者とか、ようするに江原さんみたいな人、あと易者とかもね)がけっこう多いんですよね。
それがですね、わたしにはぜんぜん詐欺師には見えないんですよ。
彼らは確かに何かを知覚するんだと思う。
だって、即座にあてちゃうんだもの。
相談者に対する説明やアドヴァイスも、結局は〝人として至極まっとうなあたりまえの道〟あるいは〝当人のかかえる問題解決のヒント〟を説くことに帰結するので、納得できるし。
もちろん、「こいつは胡散臭い、人間としても信頼できん」という連中も多いではある。付き合ってみればすぐわかるし、そういう連中とは長くは付き合えない。(法外の金取ろうとするやつとか、人を脅すようなことを言ってくるやつとか)

>詐欺の片棒を担いでいる(善意で)
そういうつもりはない。生きていく上で、何らかの支えやヒントが得られれば、というスタンス。

>都市伝説かよ
なんかねえ、キリスト教に関してのやりとりでも感じたんだけど、トンデモブラウさんの言説ってなんかオタクっぽい。
知識はあるんだけど、生身の現実感に乏しいというか。
単なる感想だけどね。
by naoko (2010-03-17 13:14) 

naoko

【cosiさん】
柳澤圭子さんの「生きて死ぬ知恵・心訳般若心経」を知っていますか?
柳澤さんは生物学者ですが、脳脊髄液減少症に三十六年間苦しんだ方です。その間、どこの病院でも「絶え間ない激しい頭痛も嘔吐も心因性のもの」と診断され続け、お医者さんに「全て気のせいで、気の持ち方が悪い」と言われ続けました。
当時の医学では原因を発見することができなかったんですね。
三十六年間医療に見放され続け、半生を苦しみぬいた彼女が、苦痛から解放されたのは、1999年、一人の研究者が自分の研究している病気「周期性嘔吐症候群」の症状でそれにはこれが効くからと「抗うつ剤」を処方され、それでやっと苦しみから開放されました。
そして、彼女の病名が確定したのは、つい最近、2004年のことです。

「物事をすべて二元論ではなく、一元的に捉える釈迦の深い知恵」を説いた非常に美しい絵本です。
by naoko (2010-03-17 14:11) 

(た)

cosi さん、
お気遣いどうもありがとうございます。では、前回先送りした、なぜ私がホメオパシーにいや〜な感じを抱いてるかについて。といっても、ネット上で良く書かれてるようなことなのですが。

えーっとですね、名前を出してしまいましたし、とりあえず、まず、日本ホメオパシー医学協会 (同系列のホメオパシージャパンも含む)、もっと言えばそこの会長さんでありホメオパスである由井寅子氏についてにします。ネットで批判されてるホメオパシーは多くの場合、彼女の言動であるようです。どういうものが「物議をかもしたか」と言うと、例えば、

(1) 風疹について、風疹にかかった子供は風疹を他の子供にうつすために「学校に送り込まれることが推奨されるべき」。

(2) 喘息であってもステロイドの使用は駄目。

など。両方とも「予防接種トンデモ論」に書かれてます。特に (1) はネットで検索をかければ彼女のこの発言を含む段落が出てきます。実物を手にして読んでもらった方がいいのかも知れませんが。私はこの (1) と (2) の両方とも、その理由がどういうものであれ、無茶苦茶だと思っており、非難されるべきものだと考えています。(1) については、正直「勘弁してよね〜」という感じ。うつりたくない人にはうつりたくない理由がありますので。(2)については喘息患者に場合によっては死ねと言ってるわけですよね (彼女の言い分だとステロイドの使用で死亡者数が増えたそうですが、事実は全く逆)。

(1)は感染症に関する話です。これについては彼女の著書「それでもあなたは新型インフルエンザワクチンを打ちますか?」でも似たようなことを書いてますね (p.83) 。そこでは彼女は自分の子供がせきをしていても学校に行かせると記述し、学校の問い合わせに対して

> 私は、それは娘が悪いわけじゃなく、うつるような体の弱い人が悪いの
> ではないか、また、うつっても体の大掃除をしているので、いいことではないか

と言ったとか。インフルエンザについて語ってる文中において、ですよ。

この「体の大掃除」というのが彼女のホメオパシー理論のポイントのようです。病気になるのは、体に「毒」がたまってるからだ、とのようですね。だから病気にはなるのは、その必要があるからであって、「毒」を体から排出しなければならない、わけです。その「毒」の排出を助けるのがレメディであるそうな。病気の症状を無理矢理おさえこむのではなく、レメディでその症状をより強めることで体の自己治癒能力をフルに引き出し、「毒」の排出の手助けをするという説明がなされてます。

逆に「毒」がたまってなければ病気にはならない、というわけですね。

だから、感染病がはやってたって何の心配もいらない。外に出歩いても良い。うつる人はうつる必要があってうつるんだし、そうじゃない人にはうつらないんだから大丈夫、となるようです・・・。

「毒」の排出は発熱や、咳、下痢、膿、嘔吐などといった形でなされるそうです。その「毒」の排出を医薬品で止めては絶対にいけない、というのもまた彼女のホメオパシー理論。止めると「毒」が体に溜まりますからね。

だから、「正統医療」とはまず間違いなく両立しない。
例えば、インフルエンザになった時「かぜ薬をとったり、タミフルをとったり、解熱剤をとったりして、体が行なってる一連の解毒作用の一部を止めてしまうことで死んでしまう」だそうです。

(2)の喘息におけるステロイドの使用の禁止というのもその一環であり、肺から「毒」を排出しようとしてるんだから、それをステロイドで止めるのはもってのほかとなるようですね。

レメディは結構いけますよ。「破傷風、ジフテリアに万一発症しても、ホメオパシーには破傷風やジフテリアに合うすばらしいレメディがあります。」さらに「破傷風やジフテリアにをホメオパシー的に予防することもできます。」ただし、衛生条件が良ければね、というただし書きは付きますが。インフルエンザはもちろん麻疹や風疹もターゲットに入ってるし、日本脳炎だって大丈夫!(とんでも〜、p.239「けいれんと意識障害になることが多く、脳がはれます。これにはエイピスです。脳炎はとても激しいものなので、発症したときは応急対応しているホメオパスに相談してください。」このエイピスはみつばちのレメディですね。この部分はホメオパシーガイドブック (6) からの引用という形をとってますが。)

なお、好きなタイミングで病院に行っても良いというのは彼女は著書の中で書いてます。私は真実を書く、信じる信じないはお好きなように、というようなことも書いてます (うがった見方かも知れませんが、私には免責を狙って書いてるとしか思えないんだけど)。また、レメディが「効く」という表現は取りませんよね。これはホメオパシーとしてはそう

一部ではトラコパシーとも揶揄される、彼女のホメオパシー理論。それだけにホメオパシー界でも極端な方のようですが、これって多分 cosi さんの考えるものとは違うよねぇ、と想像してます。いかがですか?(といっても私の要約ではよくわからないかと思いますが。今後の参考までに。)

彼女の理論でひどいなぁ、と思うのは「自己治癒力」が異様に高く見積られてるところです。とりあえず普通に使われる意味での自己治癒力じゃないんですよね。で、さらにレメディでその力が極限まで高められる。ちょっとやりすぎじゃないのかなぁ。

(長くなっちゃった。ごめん。)
by (た) (2010-03-17 14:31) 

(た)

Judgement さん、

> それで、これを読んだ皆さんは「科学的だなぁ」と思いましたか?

そこを読んで科学的だと思う人はいないでしょうね。
Judgement さんの問いは「ホメオパシーは何故ニセ科学と分類されているのか?」と解釈して答えることにすると (まぁ、私が答えることではないですが)、例えばホメオパシー医学協会で良ければ

ホメオパシーのエビデンス情報について
http://www.jphma.org/fukyu/20100206_evidence/

というのがありますね。そこからリンクされてるもの、どれでもいいですが、例えば、

・ホメオパシーの科学的エビデンス(JPHMAジャーナル38号掲載文)
http://www.jphma.org/topics/pdf/evidences03.pdf

なんてのが「いい加減なこと言うな、ゴルァ」と批判されてるんだと思いますよ。レメディが物質的に砂糖玉であることに意義を唱える人はいないようですが、

どれだけ砂糖玉かというと、夜中にホメオパスの家に忍びこみ、こっそりレメディを「本当の砂糖玉」にとりかえておいても、ホメオパスも患者も誰も困らないぐらいに砂糖玉。

ということにはホメオパスから(統計的に)反論があるようです。その意味でレメディは重要らしい。またホメオパスが「ホメオパシーは効く」と言ってるところの意味は「正統医療」の、つまり現代の医学の「効く」と同義であって、それには(科学的な)証拠もある、と。だから「おまじない」ではなく「ニセ科学」に分類されているんだと思ってます。違うかな?

まぁ、私としては「おまじない」に分類しようが「ニセ科学」に分類しようがどっちでも良く、さらに批判で根絶を狙いたいわけでもなく、下がるところまで下がってくれたらホメオパシーに文句を言うつもりはないです。あー、文句は言いますが、つぶやきレベルの文句ですね。声を大にして叫ぼうとは思わない。とりあえずホメオパシーには cosi さんがおっしゃってるような「代替医療のライン」まで下がって欲しい。

> もっと「人間的な理由」に目を向けたほうが、説得も誘導も効果的に
> できるのではないでしょうか。

まぁ、これはそうでしょうね。

レメディーには上で書いた意味で「効力はない」と思ってます。もし、ホメオパシーからくみ上げるころがあるとするなら、(レメディ単体ではなく)ホメオパシーという仕組みを全体で見ないといけないんだろうけど、ちょっくらセミナーや診察にでも行って自分の目で見てみるか、なんてことをする程に好奇心があるわけでもなければ活動的でもなく、それについてはちょっと様子見。
by (た) (2010-03-17 14:33) 

naoko

(た)さんの話に出てくるホメオパシー理論は、たしかに異常に極端な話です。やっぱりガチガチの信仰者というのは、どうしても現実を無視する傾向が出てくる恐れがありますね。

その点は、現代医学信奉者にも、スピリチュアル含む代替医療信奉者にも同じく言えることでしょう。何事も行き過ぎはよくない。


by naoko (2010-03-18 00:52) 

naoko

ただ、(た)さんご自身でもおっしゃっているように、ホメオパシー利用者の実際の姿を知らず、単にネット上の言説だけが論拠では、いささか説得力をかくなあ、とも思いますが。

cosiさんが実際の利用者を幅広く知っているなら、そちらの様子を知りたいとも思います。
なにしろ、ホメオパシーに関しては、わたしも直接利用者との面識がないのです。

わたしのモットーは、〝ともかく会ってから判断する〟ですので。(←それができない場合は、なるべく信頼できる人からの又聞きでも、生の声を知ることで当座の判断材料とする)

ネット上でのテキスト百読は、ネット上の対話による一読にしかず。
また、ネット上の対話は、生の一見にしかず。

と感じます。
by naoko (2010-03-18 01:09) 

naoko

【cosiさん】
さっきの柳澤さんの話だけど、たしかに「抗うつ剤」で、嘔吐や腹痛からは開放されたものの、その後、狭心症がひどくなり、歩くことができなくなっているのだそうです。
さらに、なぜ「抗うつ剤」が効くのかは今もって不明。
病気の原因は、脳脊髄液がもれていたこと(2004年、MRIで発見)だそうです。そのためにさまざまな神経症状が出ていたのです。

この例は、cosiさんが上で述べていた「抗うつ剤」の効果に関する言説とは対立するとは思いますが、わたしとしては、「抗うつ剤」が脳脊髄液の漏れによる神経症状まで抑えるとは!ということが、あまりに驚きだったので。
これほどの劇薬に副作用がないはずはないです。
by naoko (2010-03-18 02:33) 

naoko

さらに、新進気鋭の生物学者で、旦那さんも科学者、知り合いに学者や医学界の人も数多いるという環境で、柳澤さんが悩まされたことは、自分自身の心因性というにはあまりに激しい周期的に襲ってくる〝痛み〟を科学的に計測することは不可能であったという事実です。

そのため、すべて〝気のせい〟で済まされつづけた。1969~1999まで三十年もの間です。
その間、「これほどの〝痛み〟は、心因性ではありえない」と訴えても無視され続け、家族など周囲からは責められ、自分自身も「わたしはなぜ生きているのだろう」と追い詰められていきました。

医療における〝共感〟の欠如は、現代医療の抱える最大の欠陥かもしれません。

ホメオパシーを含む代替医療の〝あだ花〟は、そうした間隙から生じ、広まっているという気がします。

医療の分野においても、人間的なふれあい、つまり相手の主観を大切にするということの重要性が問い直されなければならないでしょう。
by naoko (2010-03-18 13:17) 

(た)

人間はよくもここまで科学を発展させてきたと驚くと同時に、「所詮は科学」という想いも募る今日この頃。いや、別に「今日」にはじまったことではないのですが。科学の成果や技術を教えるのは簡単なんだけど、「所詮」の部分はどうしても教えきれない。まぁ、これは教えることではなく、個々が学ぶべきことなんだろうけど (と開き直る)。いや、naoko さんの書き込みを読んで思ったことを垂れ流してみた、完全な雑談モード。

naokoさん、
> いささか説得力をかくなあ、とも思いますが。

書いたこと自体はネット情報には頼らずに書いたつもりですが、私の偏見は大きく入ってますので、それぞれの人がそれぞれの納得する方法で確認して貰うことは強く望みます。そして、その話を聞かせてもらうことができるのであれば私も嬉しい。

また「何かを説得しよう」と思って書いたわけでもありません。cosi さんの方が経験豊富だし代替医療にも上手く接してるようなので、「こんな奴がいるようで、そして私はこのように感じた」という話をしてるだけです (というかしてる最中)。
by (た) (2010-03-18 15:40) 

cosi

たくさんの問いに、混乱気味です。

【Judgementさん】
>ここで念のため確認。
>「ホメオパシー」を科学的な治療法と思っていませんよね。

はい、思っていません。

>また、神秘的な効果があるとも思っていませんよね。

神秘的な効果の可能性は残しておきたい。それは、合理的に冷静に言っているのでなく、個人的な願望というか、趣味というか。
少々あるといわれているホメオパシーの効果も、プラシボ効果、つまり暗示の効果ということで、落ち着くのだろうけど。
個人的趣味で「神秘」を残しておきたい。

>少なくとも、自分自身が使うか、というとまず使わない。

使っています。(naokoさん、ここに利用者がいます)
精神的なものにおいて、よく使います。
昔のことを思い出して気持ちの整理がついたり、暗示的な夢をみて謎がとけたり、不思議なことが起きます。
これも、冷静に考えれば、自己暗示なのかと思いつつ、ファンタジーの部分を残しておきたい。

あとは、何度も書いたように、副作用恐怖症ですから、軽度の体の不調によく使います。
もちろん、必要なときには、病院を受診しています。

>自分自身ではホメオパシーを「おまじない」レベルのものと捉えているのではないかなと。

それはそうです。
 
>その上で、自分にとっては「おまじない」で無意味だけど、それを信じる人にとってはどんな意味があるんだろう、と考えた上で
>「おまじない」でもそれがプラスの面があれば、というcosiさん

まさしくそのとおりです。

【naokoさん】
>柳澤圭子さんの「生きて死ぬ知恵・心訳般若心経」を知っていますか?

柳澤圭子さんは、随分前に、NHKに出ておられたのを、拝見したことがあります。
本をアマゾンでチェックしてみました。堀文子さんが絵を描かれているのですね。
ぜひ読んでみたいです。

たくさんの医療機関を受診しても、どの医師からも、なかなか病気と認められず、というところが、さらに苦しさを増強させたようですね。

>医療における〝共感〟の欠如は、現代医療の抱える最大の欠陥かもしれません。

確かにそうですね。『代替医療ハンドブック』でも、代替医療の人気の理由の一つに挙げられていました。

三環系抗うつ薬が、周期性嘔吐症候群に効果があるのは、興味深いです。
抗うつ薬が、どのようにうつ病に効いているのかも、いまだ混沌とした状況なので、脳脊髄液減少症における神経症状になぜ効くかも、わからないのでしょう。
狭心症の悪化は、三環系抗うつ薬の心血管系への副作用のせいかもしれませんね。はっきりとはわからないことですが。

抗うつ薬の作用機序も、うつ病の病態メカニズムも解明されていないのです。

うつ病の病態メカニズムの仮説は、たくさんあります。モノアミン仮説、内分泌仮説、脳の形態や構造の異常、海馬における神経新生をめぐる話、前頭前皮質の機能異常などなど。(Judgementさん、平易でない言葉を並べてすみません。たくさんあると羅列したいだけですので)

そもそもうつ病は、うつ症候群とも言われるくらい、いろんな病態をまとめたものですから、すっきりと片付かないのも仕方ありません。

例えば、悪性腫瘍の際の「うつ」に限って考えてみます。
腫瘍に対してマクロファージなどから出される物質(TNFα)に、「うつ」を引き起こすことがあることが、知られています。また抗がん剤で使われるインターロイキンー2でも同様のことが知られています。

でも、そういう生物学的因子だけではありません。
悪性腫瘍に罹った際の、社会的経済的な不安もあります。
症状や治療自体や、治療者や病院との関係からの葛藤もあります。
死への恐怖、生きてきた人生への恨みや後悔などもあります。
そういう全てから「うつ」が引き起こされます。

だから、悪性腫瘍の際の「うつ」一つをとっても、いろんな要素や原因のからまった「うつ」ということになると思います。

同じようなことが、過重労働の際の「うつ」、離婚の際の「うつ」でも、いろいろ出てくるのです。つまり、遺伝的生物学的な要素から、社会的要素まで、さまざまなことが絡むのです。

そういうわけなので、いかなる抗うつ薬にも反応しない人が、三人に一人は存在するとか、効いてる場合でも、プラシボに毛が生えた程度というのも、頷ける話なのです。

【(た)さん】
参考になる情報を、たくさん書いていただき、ありがとうございます。

>一部ではトラコパシーとも揶揄される、彼女のホメオパシー理論。
>それだけにホメオパシー界でも極端な方のようですが、

naokoさんの
>何事も行き過ぎはよくない。
という感想と同感です。

>1) 風疹について、風疹にかかった子供は風疹を他の子供にうつすために「学校に送り込まれることが推奨されるべき」。

わざわざうつすのはどうかと思います。
病気のときに、休ませないのもどうかと思います。

>(2) 喘息であってもステロイドの使用は駄目。

喘息といっても、軽いものから重症なものまであるでしょう。
ごくごく軽いケースでは、プラシボが効くこともあるそうですから、レメディでも効くことがあるかもしれません。
重症なものに使わないのは、それは、確かに危険ですね。
実際にそれをやっているとすると、批判されて当然の気がします。

ずっと使っていた薬を急に止めたり、減らしたりすると、リバウンドがきます。
それでも、どうしても患者としては、薬を減らしたかったり、止めたい場合もあります。
副作用がきつかったりする場合です。

だから、薬の減らし方とかを、正統医療の知識や経験のもとにアドバイスできないのなら、薬の危険性のみを訴え、止めさせる行為は、良くないと思います。
患者さんが、さらに苦しむことになります。

逆に、患者の副作用の訴えや、薬を減らしたい気持ちを軽視せず、向き合える医師の態度も、必要じゃないかと思います。
あまりに、つれない態度の主治医だった場合、減薬のことや、薬の副作用のことや、代替医療の利用の相談もできません。

それで、受診をやめてしまい、極端なホメオパスなどのアドバイスだけに、従ってしまったりするのではないでしょうか。
だから、医師の側も、代替医療を拒絶するのでなく、代替医療を利用したい患者の気持ちに、理解を示す態度を取るほうが、患者のためになると思います。 

Judgementさんがエントリーで紹介されていた、「医学は科学ではない」の米山公啓さんも、そういうことを、書かれていたと思います。かなり前に読んだので、記憶が定かでないのだけれど。
by cosi (2010-03-18 16:55) 

naoko

【cosiさん】
「抗うつ剤」に関する記述、なるほど!です。
ホメオパシーの利用法についても、実によく納得ができました。
さらに言うと、わたしには〝人の信仰〟が現実にもたらす作用が信じられるので、レメディの使用の際に起こる現象も、別段奇異には聞こえません。
むしろ、ごく普通にあることだと思います。
ただ、それはレメディそのもののもたらした効果というよりは、cosiさん自身のある種の〝信仰〟がレメディを介して現実に及ぼした作用なのかな、とも感じますが。(←ははは、非科学的なこと、この上ない感想!)

>どの医師からも病気と認められず
そこですよ。生物学者の患者の切実な訴えさえ認められないのだから、一般人の訴えに医療機関が反応するはずがない。
さらに、当初、立派な学者である旦那さんさえ医師の言葉を信じて、彼女の訴えを信じなかったというのはあまりに悲しい。(←ありがちではあるが)
それにしても、単に当時の医学技術で〝身体に異常が見つからない〟ということが、どうして症状が〝心因性である・気のせいである〟という確固とした根拠として、堂々まかりとおったのか?
それも三十年もの間。この間、「それは心因性であるという根拠にならない」と言う柳澤さんの主張は一切医師たちに受け付けられなかったのです。
当時30代の新進気鋭の生物科学者の主張ですら、ね。
ですから、こうしたことは、一般にはもっと頻繁に、それも徹底的に救いようのない形で起こっているはずです。

わたしが、現代医療信奉の行き過ぎを感じるのはそうした面ですね。
by naoko (2010-03-19 02:46) 

naoko

【(た)さん】
おっしゃること、わかる気がします。
雑談モード、結構じゃないですか(笑)。
柳澤さんの場合は、一種の科学教に苦しめられ、「学問と科学技術の進歩」によって救われました。
しかし、その間の気の遠くなるような苦難の時間を耐え抜く上で、彼女が拠り所としたもののひとつに〝信仰〟があったのではないでしょうか。
彼女の著書を読むとそのように感じます。

しかし、人は信仰によって救われながら、その後、宗教に惑わされ、苦しめられることもある。
そういう例も、数多く見てきました(苦笑)。

大切なのは〝中庸の美徳〟かも。
by naoko (2010-03-19 03:31) 

naoko

さて、わたしとしては、このエントリーで語り掛けたいことは、もうほとんど言い尽くしたような気がします。
そして、cosiさんの語りたかったことを、受け取ることができたように思います。
大変おもしろい対話でした。
ここまで話がすすんだのは、cosiさんという〝現実の重みと確かな手触り〟を感じさせてくれる語り手の存在のおかげです。
それから、それを受け止められるjudgementさんが、鋭敏な知性と繊細な感覚で作り出してくれたこの〝場〟のおかげ。

後は、(た)さんのおっしゃるように、それぞれの人がそれぞれの納得の仕方で、ここで語られたすべてを、受け止めればよいのではないかと思います。

って、何を一人で勝手にまとめに入っているんだろうね、わたしは(爆)。

もちろん、さらに対話が続くのなら、ここでの対話は楽しいので、断固参加します。
by naoko (2010-03-19 14:10) 

(た)

ちょっと待て〜。

naoko さん、
柳澤圭子さんの話はそのままの形で心に刻んでおきます。

cosiさん、
(トンデモブラウさんのように)原理そのものをみてホメオパシーを否定する人ももちろんいますが、立ちいった批判がなされる場合は大体において日本ホメオパシー医学協会、及び、関連団体です。でもそれがホメオパシーでは日本最大規模なんですってね (自称のようですが)。さらに日本最古のホメオパス養成学校をもってるとか (これまた自称のようですけど)。

よりにもよってという気もするし、なんか嫌になっちゃう。もっとも由井寅子氏はカリスマ性のある人でもあるようなので、だから大きくなったんだろうな、という気もしますが。

「正統医療」を補間する立場をとる団体もあるようで、私としてはせめてそこに頑張って欲しいように思うんだけど、そういうところは声が小さいんですよね。

このホメオパシー医学協会については他にもいろいろあれば、他の団体でもなんだかなぁと感じるものもあるんだけど、ホメオパシーをあげつらうことが目的でも、ホメオパシーを悪だと断罪することが目的でもなく、私が何故ホメオパシーに嫌な感じを抱いてるかを伝えたかっただけだし、それは多分伝わったと思うのでこれ以上は書きません。

そのことを伝えた上で改めて聞きたかったことがあったんだけど、cosi さんのコメントに答えが先に書いてあったので、とりあえず私からもホメオパシーに関して言いたいことはこれ以上は特になし。

> 個人的趣味で「神秘」を残しておきたい。

もしそこに cosi さんが神秘を感じてるんだったら、そこには神秘があるんだと思いますよ。それは私には見えないかも知れないけど。naoko さんの書かれた柳澤圭子さんの誰にも見えなかった"痛み"のようにね。

こういうことを書くとホメオパシーに希望を持たせて良くないなんて批判を食ったり、ホメオパシーを批判したくせに矛盾だとか言われたりするんだけど、そういう意味じゃないんだよね。

自然科学者は誰でも自然に神秘を感じてるんです。
by (た) (2010-03-19 20:48) 

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