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妄想分裂ポジション [用語など]

 ちょっと、ある件で考えてることについて、以前似たような話を読んだ事を思い出し、本を引っ張り出してみましたよ。
『妄想分裂ポジション』

 自分にとって思い通りにならない状況に直面したとき、その不快さをすべて相手の非とみなし、怒りや攻撃を爆発させている状態です。
 この状態においては、自分の欲求を満たしてくれない相手は「悪い存在」であり、つい先ほどまで自分の欲求を満たしてくれていた「よい存在」のことなど、すっかり頭からなくなっているのです。その瞬間に自分の都合を満たしてくれるかどうかで「よい存在」になったり、「悪い存在」になったりしてしまいます。つまり、「分裂」を起こし、相手との関係は連続性と恒常性を持ったものになっていないのです。
 その場合、当の本人は、相手が「変わった」「裏切った」と受け取っているわけですが、客観的に見ると、当の本人の都合や満足度が「変わった」だけで、相手は何も変わっていないわけです。
(中略)
 つまり、「分裂」を起こしているのは、自分の心の状態だと言えます。けれども、それは自覚されることなく、相手に問題を押しつけて、「悪い存在」と見なしてしまうわけです。
 二分法的な認知(*1)の根源は、この「妄想分裂ポジション」にあると言えます。
 妄想分裂ポジションでは、たとえ自分の落ち度や非によって不快な状態が生じていても、その責めを相手や周囲の問題として感じます。そうしたことが起こるのは自分と他者の区別があいまいで、周囲の存在を自分の一部や延長のように感じて、自分の思い通りになることを当然のように感じているためです(*2)。
 また、自分の心の中にある感情やイメージを周囲に「投影」し、それが一人歩きするということも起こりやすいのです。そのため思い通りになっているときは、過度に「理想化」する一方、思い通りにならない事態に出くわすと、「悪」「敵」と見なして、すべてを否定してしまうのです。

(「パーソナリティ障害がわかる本」岡田尊司 より)※(*1)(*2)を挿入。詳細は下記

 なるほどね...
 あまり精神分析系は好きじゃないんだけど、これは、わたしの考えていた事にジャストフィットしました。

いい言葉を覚えました。
なんとなく今後頻繁に使う事になりそうな予感...。


【参照】※同じく「パーソナリティ障害がわかる本」岡田尊司 より

*1 『両極端で二分法的な認知』
 パーソナリティ障害に共通して見られる基本症状の一つは、両極端で二分法的な認知に陥りやすいということです。全か無か、白か黒か、パーフェクトか大失敗か、敵か味方かという、中間のない二項対立に陥ってしまうのです。

*2 『自分の視点にとらわれ、自分と周囲の境目があいまい』
 パーソナリティ障害の人に見られる二番目の認知の特徴は、自分と他者(対象)との関係に関するものです。
 パーソナリティ障害の人では自分と他者との境目があいまいで、十分に区別できていないところがあります。そのため自分の視点と他者の視点というものを混同しやすいのです。自分がいいと思うことは、相手もいいと思うはずだと思い込んでいます。
 自分の感じ方と相手の感じ方はそれぞれ別物だということが、頭ではわかっていても実際の場面ではゴチャゴチャにしてしまいやすいのです。
 その結果、自分の視点でしか物事が見えず、自分の考えや自分の期待を周囲に押しつけてしまったり、自分の問題を周囲のせいにしたり、周囲の問題にすり替えてしまったりということが起こりやすくなります。つまり、パーソナリティ障害の人は客観的に自分を振り返り、周囲の人の立場になって考えるということができにくいのです。

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コメント 2

B研

私が血液型人間学の研究を始めて、どうしても理解不能だったのが、平気で嘘がつける姿勢です。これが理解できない事には、血液型人間学が理解できない。DSM-Ⅳ-TR にあたっても理解できない。最近、Jさんと似たような領域に行き当たり、やっと解釈の方法を見出しました。

「完全なる良心の欠如」です。
by B研 (2008-12-06 19:24) 

Judgement

うーむ、いわゆるサイコパスのような人を想定しているんでしょうかね。
まぁ、「飯の種」ですから、生活と名誉を守るため「嘘と知りつつ嘘をつく」
可能性も皆無ではないでしょうが、そういった、ある意味「成熟した思考」ではなく、どちらかというと、上の記事のような「未熟な思考」ゆえの
「細かい事はどうでもいい。正しいんだから正しいんだ」
という考えの末の、「言い逃れ」が他者から見て「嘘つき」に見えるのかなぁ、と。

ところで、B研さんの「能見本」批判、すごいですね。
特に能見”俊賢”氏の方の発言をここまで逐一分析しているところは
他に無いのではないかと、非常に興味深いです。
by Judgement (2008-12-08 00:07) 

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