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BIZARRE [言論]

先に書いた『「ひとことふたこと」のカテゴリの動機』で触れた「とある事件」についてもう少し書いておきます。

「とある発言」に対し、「被害者に対して失礼だ」との声がネットで上がっているそうな。
実際失礼な発言であったが、そんな声を上げている側は何をしたのか。

 例えば、AさんがBさんの悪口をどこかで言ったとする。
 それを聞いたCさんが、方々でBさん以外の人に
 「AさんがBさんの事を、××って言ってたよ、酷いよね」と言いふらしたとしましょう。
 それを聞いて、あなたはどう思いますか?

 Aさんの発言とやらを不快に思うのと同時に、そのような発言をわざわざ色んな人に言い振らすCさんに対しても、何やら悪意を感じ取るでしょう。

 本当にCさんがその発言を酷いと思っているのなら、Aさんにそのような事を言うのを止めるよう説得するなりして、「そんな酷い評価」が蔓延する事を食い止めるはずです。
 しかし、Cさんは、食い止めるどころか積極的に蔓延させている。
 そこに含まれた意図は「Aさんは酷い事を言う奴」と言うイメージを広めたいだけであり、「酷い事を言われたBさんへの配慮」は存在しない。

 
 「被害者に対して失礼だ」という論調だって、一見被害者に配慮しているように聞こえます。
 が、実際にしている行為としては、その「失礼な発言」を無闇矢鱈に広げてしまっているのです。
 つまり、彼らも「被害者に配慮していない」という点で、「被害者に対して失礼」な事をしている。
 

 彼らがこの問題に目を向けた動機の本音は、ある種のビザール(Bizarre=奇矯なもの)的嗜好によるものであったのではないでしょうか。
 自分と係わり合いの無い「他人の不幸」に対するぶっとんだ発言を安全圏から眺める事で、「可哀想がっているように」装ったり、「不快そうに」装ったりする事で、『識者ぶる』自分の姿に酔っているにすぎません。
 その証拠に、「そんな素敵な自分」の演出ばかりに気が回っているから、「本当に可哀想な人」に対する配慮ができないんです。


 そういう意味では、「他人の不幸に対する不謹慎な発言をする人」と、「他人の不幸に対する不謹慎な発言をする人に対する感想をわいわい言いふらす人」は、どちらも「他人の不幸」を自分の愉しみにしている同類ですね。
 むしろ、同類のくせにそれを隠して相手を一方的に非難する点では、より卑劣と言えます


...と言うと、敵を沢山作りそうで怖いですが、自分ではない「被害者」を名目に批判するのであれば、より慎重に「被害者」の視点を考慮しないと、思わぬ落とし穴があるよ、と言う事で。


※ビザール的嗜好を持つ「彼ら」とは、前記のような主張と行動が矛盾する輩を指しているのであって、例のコメントに憤りを感じた人全てがそのような嗜好による動機を持っていると言いたいわけではありません。念のため。

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